2016年1月15日金曜日

ピンポン玉の静電気振り子 (静電誘導方式)

ちょっと変わった静電気の実験方法を考案してみました。
塩ビ板とアルミ箔を直接摩擦し、塩ビ板を負にアルミ箔を正に帯電させて
正電荷・負電荷ともに利用するという仕掛けです。

今回一連の静電気実験

これらは全て正電荷・負電荷ともに利用して実験しています。

「ピンポン玉の静電気振り子」は静電気でピンポン玉を左右に動かす実験です。
ちょっとした仕組みで限りなく動き続けます。
(前半は片側接地方式、後半は正・負両電荷利用方式です。)

静電気振り子をはじめ、静電気の装置を作るときには
電荷の通り道に発泡スチロールやプラスチック系のものを
使用することがポイントです。(接地極以外の部分)
絶縁体だからと言って、紙、木材、石などを使用すると電荷が うまく流れません。


①ピンポン玉の適当なところに長さ5.5cm程度の縫い針を差して穴を開け
一度抜いてから、縫い針の頭の方をピンポン玉に挿入します。
ピンポン玉の周囲には幅5mm程度のアルミテープを貼ります。

②材料を切り出します。長さは適当で構いません。
・カラーボード(発泡スチロール板でもOK) 30cm×15cm
・発泡スチロール棒 10cm×1.5cm×1.5cm 2本
・塩ビ板(硬質カードケース利用) 23cm×15cm、10cm×1.5cm

③カラーボードの左の方に発泡スチロール棒を立てます。
(約7cmの間隔を置いて、両面テープで貼り付け)
柱の上には塩ビ板(10cm×1.5cm)を両面テープで貼り、
中心の上下からネオジム磁石を磁力でくっつけます。(N・S極はどちらでもOK)

④3cm×15cmのアルミ箔を2つ折りにして、
1.5cm×15cmの帯を2本作ります。
発泡スチロールの柱に下の写真のように貼り付けます。
右の方が給電板、左の方が接地板となります。

⑤25cm幅のアルミ箔を長さ12cm程度に4回折っていき
さらに、半分に折りたたんで、計10枚重ねにしています。


⑥これを給電板の反対側の端にセロテープで貼り付けます。

⑦針の先端をネオジム磁石にくっつけてピンポン玉をぶら下げます。
(摩擦抵抗が少なく、よく動きます。)
給電板と接地板は、ピンポン玉から約1cm程度離れるように
アルミ箔を折り曲げます。

これで完成で~す!

<やり方>
(あらかじめ、塩ビ板をティッシュでこすっておくと効果的です)
①最初は23cm×15cm程度の塩ビ板でアルミ箔を10回程度こすります。

②塩ビ板を素早くアルミ箔から離すと
ピンポン玉がアルミ箔に引き寄せられて振り子運動を始めます。

④しばらくすると動きが悪くなりますが
塩ビ板を乗せると また勢いよく動き始めます。
(乗せるだけで こすらなくてOKです。)

⑤しばらくするとまた動きが悪くなりますが
塩ビ板を素早くアルミ箔から離すと、また勢いよく動き始めます。


②~⑤を繰り返し行うことで、限りなく動き続けます。

<注意する点>
塩ビ板を置くときはアルミ箔をすっぽり覆うように置く。

②塩ビ板をはがすときは真上に素早くはがす。(すべらすようにはがさない)

③湿度55%以下のところでやってみて下さい。


ビデオが表示できない場合はYoutubeでご覧ください。



最初、塩ビ板でアルミ箔を10回程度こすることで、
塩ビ板は負に、塩ビ板の下のアルミ箔は正に帯電します。(摩擦帯電)

摩擦帯電で帯電させると、塩ビ板とアルミ箔がくっついて
徐々にこすりにくくなってきます。
これはより多くの負電荷がアルミ箔から塩ビ板に移動して
ぴったりくっついてしまうからです。

塩ビ板とアルミ箔の電位差はこするにつれ大きくなりますが、
2つの物質が引きあっているだけなので、外には何の変化もありません。
お互いを引き離した時に、高い電圧が発生します。
例えば、ウールとアクリルなど別の素材の服を重ね着しているときには
服同士や体にまとわりつくことはあっても、
バチッっとくるのは、脱ぐとき(2枚を引き離すとき、又は体から離すとき)ですよね。

今回の実験でも、最初10回程度こすっている間は
塩ビ板の負電荷とアルミ箔の正電荷が引きあっている状態で、
お互いを離した時に給電板に電荷が流れます。

その後は塩ビ板を置いたり離したりを繰り返すことで
限りなく動き続けます。
いずれ止まりそうな気もしますが
塩ビ板が大きく負に帯電したままであることに加え
塩ビ板をアルミ箔に置いたときに発生する接触帯電や
離した時に発生する剥離帯電も生じることから
限りなく動き続けます。
尚、剥離帯電は素早く引き離すほど、大きく帯電します。



<正・負両電荷利用方式>
ここまでは左側を接地した状態で振り子を動かしましたが
次は左右で正・負が入れ替わるような仕組みにしてみました。
例えば、右が負のときには、左が正となり、
右が正のときには、左が負となるため、
揺れ幅も大きくすることが出来ます。

上との変更点は、
・柱を2cm角にしたこと(柱が細いと柱も揺れてしまうので)
・柱の間隔を10cmにしたこと、
・柱の上の塩ビ板14cm×2cm を2枚重ねにしたこと(1枚だとしなるので)
柱のアルミ箔の形状も少し変えてみました。(気まぐれで)
針も長めの約9cmを使っています。

長さ9cmの針はダイソーで販売されている、
「補修用針」に1本入っています。

左の接地していたアルミ箔の帯の上にも
アルミ箔10枚重ねを置いて、セロテープで貼り付けます。

<やり方>
①塩ビ板で右のアルミ箔を10回程度こすります。

②塩ビ板を素早くアルミ箔から離しても、
自動発進しないので、最初は手で揺らします。

③塩ビ板を左のアルミ箔の上に乗せます。

④塩ビ板を剥がしては、もう一方のアルミ箔へ置くことを繰り返します。
動きが悪くなってきたら、アルミ箔の上で少し塩ビ板をこすると、
また勢いよく動き始めます。

<注意する点>
塩ビ板を置くときはアルミ箔をすっぽり覆うように置く。

②塩ビ板をはがすときは真上に素早くはがす。(すべらすようにはがさない)

③湿度55%以下のところでやってみて下さい。

ビデオが表示できない場合はYoutubeでご覧ください。





これ以外の実験や工作も掲載していますので、
こちらも見てみて下さい。




2 件のコメント:

  1. 素晴らしい工夫です。

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    1. ありがとうございます♪
      そのように言って下さって嬉しいです。

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