2020年6月29日月曜日

「かえるの合唱」

約2年前に、Michiyo Tsuchidaさんの作品を見てとても感動し、
いつか私も作ってみたいと思っていました。

Tsuchidaさんの作品はこちらです。
(実際に作成されたのは4年以上前とのことです)

先日、Arduinoを使って音を鳴らす練習をしたので、
思い切って挑戦してみることにしました。

タクトスイッチを押すと、低い方から3オクターブ分
繰り返し演奏します。


カエル等の型にフエルトを切り抜き、
青色の大きなフエルトに縫い付けています。
縫い終えてから、A4のフォトスタンドの板にボンドで貼り
穴を開けてLEDを取り付けました。


使用したLEDは4本足の色の調整が出来るもので
合計12個取り付けました。
配線はかなりゴジャゴジャしています。


写真フレームに入れ、右上にタクトスイッチ、左下に圧電スピーカーを取り付けました。

裏側の配線のゴジャゴジャは見えないよう、
カバーをしておきました。
電源はモバイルバッテリーです。

配線はこのように行いました。



プログラムはこちらです。

ネットで調べると、音を鳴らすときは「pitches.h」が良さそうで
当初これを使って作ったのですが、
プログラムの練習で2次配列を使って書いてみたくなり、
「ドレミファソラシド」の4オクターブ分の周波数の配列を作って
1オクターブずつ上げていきました。
(配列で作成した一番低い周波数131~247Hzは低すぎて聞きずらいので結局使用せず、
周波数262~494Hz、523~988Hz、1047~1976Hz、の3オクターブ分です。)





2020年6月16日火曜日

ペイジの電磁石モーター

「次はペイジの電磁石モータのようなものを作ってみたいと思っています。」
と書きましたが、取りあえず それらしきものが完成しました。

こちらが「電気技術発展の秘話」の43ページに掲載されている
「ペイジの電磁石モータ」のイラストです。
さらに調べてみると、TDKの「TECH-MAG」にも
ペイジの電磁石エンジンのことが書かれていました。

今回この「TECH-MAG」のイラストを参考にしながら挑戦してみました。
ただ、イラストは電磁石に引き寄せられるものが「鉄片」となっているのですが、
私が作ったものは鉄片では力が弱く、磁石を使用しています。




前回の「ソレノイドエンジンPart2」では小さなベアリングを使用しましたが
今回は「オイレスブッシュ」というものを使用しました。
樹脂の中に潤滑油を含有させてあるそうで、シャフトが軽く回ります。
前作を作った後、こんなのがあるよと教えて頂き、試してみることに・・・
内径2mm、外径4mm、長さ4mmを購入し、
2mmのシャフトを入れたらどうなるんだろう?
とワクワクしながら到着を待つことに。
実際、試してみるとシャフトはスーっと入って、
隙間はほとんどなさそうだけど、よく回る!
かなり感動ものでした。
使い勝手もいいので、これから時々使っていきたいと思います。

この写真の黒く見えてるものが「オイレスブッシュ」です。

完成後の写真です。
電源は前回と同様モバイルバッテリー(5V)です。

コイルはM6×55mmのボルトにφ0.32mmのPEWを1200回巻きにしています。
電磁石2個には交互に電流が流れます。
電磁石の上で上下するネオジム磁石は、
φ10mmのものを電磁石と反発する極性で貼っています。
(引き寄せる極性でも実験しましたが、これでもうまくいきました。)
LED3個は直列接続にし、それぞれの電磁石に並列に接続しています。
自己誘導起電力で光らせるため、足の短い方が電池のプラス側です。

後ろ姿です。
 CDの中心に刺し込んだ長いシャフトの軸受けにも
オイレスブッシュを使いたかったのですが、
軸受けを通してシャフトに電流を流すため、
金属製のものが好ましく、ここでの使用は諦めました。


前作でもスイッチングはDCモーターの整流子を使用しましたが、
今回はさらにモーター内蔵のブラシも使用します。




下図のような仕組みで、コイルAとコイルBに交互に電流が送られます。
整流子①がブラシAを離れてからブラシBに接触するまでと     
整流子①がブラシBを離れてからブラシAに接触するまでの間は
どちらのコイルにも電流が流れていない時間があります。


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 映像の最後で前作と並べて動かしていますが、前作の方が速く回転しています。
今回の方が作りが悪いせいもあると思いますが、
それ以外の理由について考えてみました。
<左>が今回の装置、<右>が前回の装置です。

① 鉄心の有無。
今回、<左>の緑の〇のようにM6の鉄心の上でφ10mmの磁石を上下させていますが
磁石と鉄心の吸引力が大きいため、
下に降りた磁石が上に移動するとき、大きな力が必要。
例えば磁石をもう1枚追加すると、吸引力が大きく より一層遅くなります。
(右のソレノイドには鉄心がなく、ソレノイドの中を磁石が上下する。)


磁石の重さ
<左>左右に6gずつ <右>3g


軸のつなぎ箇所
<左>は6か所  <右>は4か所
つなぎ部の摩擦抵抗は、箇所によって違いますが、
<左>の方が大きい可能性が高い。
少なくとも、磁石をぶら下げているところの摩擦抵抗は
②の磁石の重さの違いから<左>の方が大きい。


ピストンが上下に移動できる長さ(ピンクの  のところ)
クランクピンを直径30mm回転させるために
<左>は約10mm、<右>は約18mm 上下させています。
左の方がA:Bの比が大きく、ピストンを上下させるために、大きな力が必要です。

電流計で測定すると、電流値の細かい変動はありますが、
大体<左>が0.2~0.3A、<右>が0.1~0.2A 程度でした。


上の方で紹介した「電気技術発展の秘話」によると
「ペイジの電磁石モータ」について、
極面に鉄片を吸着させる方法では、その鉄片の移動距離を長く取れない。
そのため、この力を動力として取り出すためには、外部構造に工夫がいる。
そこで蒸気機関のピストンシリンダを真似て、
中空コイルに鉄心を挿入することで移動距離を大きくする方法を考えた。

と書かれていますが、恐らくソレノイド方式でしょうか・・・
実際にこの方式に改良し、136.1kgの重量を 25.4cm上げることができた。
そうです。

興味のある方は、是非「電気技術発展の秘話」をご覧ください。
私はこの本購入しちゃいました~(^^)/

結局、<左>の回転が<右>より遅い理由は
色んな理由が重なった結果!?なのでしょうか・・・

2020年6月5日金曜日

ソレノイドエンジンPart2

以前、このような「ソレノイドエンジン」を作成しました。
https://eneene7.blogspot.com/2016/06/blog-post.html


こちらが今回作成した「ソレノイドエンジンPart2」です。

ソレノイドの向きが横から縦になり、大きくなっただけのように見えますが
実際そうなんですが(笑)
スイッチング方法の工夫もしてみました。



外径5mm、内径2mmのMR52zzという
小さなベアリングを2か所に取り付けました。


CDは直径8cmのものを2枚重ねにして、中心にギアを取り付けています。
(φ2mmシャフトを差し込むため)
CDの中心から15mm離れたところに、
①の円形のベアリングの中心を取り付けました。
(クランクピンの位置となります)
円形のベアリングにはシャフトを差し込み、
同じシャフトに①の長方形(45mm×8mm)の木板の穴の方を差し込みます。
木板のもう一端のベアリングの方にも、シャフトを差し込み、
長方形(120mm×8mm)の木板の端の方に穴を開けて差し込みます。
シャフトは全てφ2mmのものを使用。
穴は大体、木板の端から5mm程度のところに2.1mmドリルで穴開けしています。

このように土台にセットしました。

青丸のところには「K785」という金具を使っています。
右手前の金具にはマイナス極からのリード線を接続します。(写真の白い線)
この金具にCDのシャフトが接触するので、
シャフトもマイナス極に繋がった状態です。

この装置はソレノイドに流れる電流をオン・オフすることで回り続けます。
今回は電流をオン・オフさせるために
小型DCモーターから取り出した整流子を使用しました。
(小型DCモーターからローターを取り出し、整流子の端子に接続されてるコイルを切断し
整流子を引っ張るとモーターシャフトから抜くことが出来ます。)

整流子の1か所に銅の針金をハンダ付けしています。
これをφ2mmのCDのシャフトに差し込みます。
(かなりキツイ状態ですがシャフトに挿入出来ると思います)

整流子にハンダ付けした銅の針金は、シャフトに巻き付けています。
下写真の白いプラスチックは、アイロンビーズで、
ブラシが整流子から外れるのを防止する目的です。
ブラシはソレノイドの一端にリード線を接続し
整流子と接触するあたりのリード線の被覆をむいて、
端にナットのおもりをぶら下げました。
当初、写真右のように、両側から銅針金を引っ張っていましたが
引っ張り過ぎると、回転が悪くなるので、おもり方式にしました。


この整流子を使ったスイッチング方法は、
あることがきっかけで思いついたものですが
なかなかいい方法!!?・・・と
自己満足しています(笑)

動画で回転方向が変わるのは
ソレノイドに電流が流れるタイミングとピストンの位置によるものです。
例えば、下図2段目の左のように、
<ピストンがソレノイドに引き込まれるように配線した場合>
クランクピンが赤矢印の範囲のときに、ソレノイドに電流が流れると
ピストンは引き込まれ、CDは時計回りの方向に回転をします。
このように回転をさせるためには、
クランクピンを左に置いた状態で、整流子①を真上に持って行きます。
時計の文字盤で例えると、
整流子①は10時~2時の間でブラシと接触し電流が流れる状態です。
(実際はリード線のブラシは円弧状態になっているので、9時~3時の間くらいかも知れません)
そのときのクランクピンの位置は7時から11時(6時~12時かも?)

ソレノイドはφ8mm、長さ50mmのストローを使用しました。
(ストローの場合出来上がりは頼りない感じがします。もっとシッカリしたパイプの方がいいかも?)
ストローの上下に、円形の木板を固定し
φ0.32mmのPEWを1200回巻きました。
ピストンはφ5mm×3mmのネオジム磁石8個と竹箸を繋ぎました。
(つなぎにはφ5mmのストローを使用)


LEDは緑・赤・青色の3個を直列にしたものを
ソレノイドに並列に接続しています。
(ソレノイドのプラス極に接続した方にLEDの短い足を接続)
ソレノイドに流れる電流が切れるときの自己誘導起電力で光る仕組みです。
映像では光ってる様子が分かりにくいですが
実際はもう少しハッキリと点滅しています。

電源はモバイルバッテリーを使用しました。

 後ろ姿です。

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<この装置を作ったきっかけ>
先日、ファラデーラボのメーリングリストで生源寺先生より、
このようなモーターを作ってみない?とご提案を頂きました。

頂いた資料は、かなり前の「岐阜理科サークル通信」に掲載されていたものだそうで
「この装置はちょっと見るとブザーのようだが、1831年にヘンリーが発明したモーター」
と記載されていました。

1831年と言えば、
ヘンリーはファラデーよりも先に電磁誘導を発見していたにもかかわらず
論文の発表が遅れて、ファラデーが電磁誘導の発見者となってしまった年です。
恐らくヘンリーは落ち込んでたのでは?と思いましたが、
Wikipediaにはこのように記載されていました。
1830年、マイケル・ファラデーより先に電磁誘導を発見したが、
発表が遅れたため、発見の功はファラデーに譲ることとなった(1831年)。
1831年には電磁気を動力源として動く世界初の機械を作った。
電動機の元となったものである。
ただし回転運動ではなく、棒の先の電磁石が前後に振動する形だった。
これは棒が振れたときに2つの電池の一方と接触して電磁石の極性が逆転し、
反対方向へ動く力が生じる仕組みだった。
この実験からヘンリーは1832年に自己誘導を発見した。

早速、次の研究をされてたのですね。さすがですね・・・
この棒磁石が前後に振動するものは
(ファラデーラボ O様からの情報)

その後、メーリングリストで
このようなページも教えて頂きました。
http://raorht.blogspot.com/2011/12/development-of-electric-motor.html
この中には「1830年代のモーター」と類似してるような形のものがあります。
さらに、このページは写真を見てるだけでもワクワクしてきます。
(ファラデーラボ K様からの情報)

結局、「1830年代のモーター」は
上で紹介した書籍のP43「図3 ペイジの電磁石モータ」が近いのでは?
(ファラデーラボ H様からの情報)
ということになりました。

私が今回作成したものは、電磁石ではなくソレノイド方式のものになってしまいましたが
次は「ペイジの電磁石モータ」のようなものを作ってみたいと思っています。