2021年5月22日土曜日

100円Shopの時計基板を使ったバレリーナ(改良版)

2016年にこのようなものを作りました。

https://eneene7.blogspot.com/2016/03/100.html

このときは思いつくまま回路を作って、
動いたのでこれでいいか・・・といった感じで終わらせていましたが
先日、横浜の師匠のMukujiiさんに回路を見て頂き、
今回はコレクタ接地回路をエミッタ接地回路に変更、
装置も3Dプリンターで作成、磁石の個数も増やして
前回作より、よく回る改良版を作成しました。

こちらが今回作ったものです。
いつものことながら、作り始めると止まらず13個作成・・・(笑)
そのうちの8個を並べている場面もあるので是非ご覧ください。
BGMの「星に願いを」はこちらからDLさせて頂きました。

「100円Shopの時計の構造について」の説明動画も作ってみました。

これが3Dプリンターで作成したものです。
左の2つ(土台・上板)は熱溶解方式の3Dプリンターで
右の3つ(磁石用・がびょう用・人形)は光造形方式の3Dプリンターで作成しましたが
熱溶解方式の3Dプリンターでも造形出来ます。

この3Dデーター(Step・Stl 形式)はこちらにアップしています。
穴のサイズが合わないときなどは、Stepファイルを修正してみて下さい。

100円Shopの時計を分解し、水晶振動子のついた基板と
電池の電極を取り出しました。

この電極はダイソーのこの壁掛け時計から取り出したもので、
3Dデーターはこの電極に合ったものとなっています。
(セリアの時計やダイソーでもアラーム機能のついたものは電極の形が異なります。)

スイッチはこのスイッチのサイズで3Dデータを作っています。

これらをこのようにハンダ付け
(リード線の先端には耐熱通信機器ビニル電線 0.65mm 単芯線の
被覆を剥がしたものをハンダ付けしています。)

3Dプリンターで作った土台に貼りました。
上以外の配線は、工作教室で出来ないかと思い、ブレッドボードで試作しています。

コイルは0.3mmφのUEWを300回、ボビンに巻いています。
ミシンの下糸を巻く機能を使って早く巻くことが出来ました。

回路はこのようにしました。


人形のスカートは、不織布で作成。
糸で運針して絞るのがいいと思うのですが、
これまた工作教室で実施したとき、子供が安全に出来る方法を・・・と思い
このような方法を考えました。

前回は中心軸にバーベキューの串を使っいて、
バレリーナを串刺しにしている点が気になっていました(^^;
今回、何を使おうかと色々と考えていたところ、太めの「フラワー用ワイヤー」を発見!
白い紙が巻かれていて、今回の装置との色合いも良く、
#18は太さが1.2mm(鉄心は太さ1.0mm)とシッカリしています。

フラワー用ワイヤーを13.5cm、白いストロー2本は14.5cmにカットしました。

3Dプリンターで作成したものに、
磁石(φ6mm×3mm)はN・S交互にはめ込み、画鋲は先が上を向くようにして
瞬間接着剤で貼りました。

フラワー用ワイヤーに、⑦と⑩を通して
ゆるい場合はボンドで接着します。

人形の手足は3mmモールとビーズで作成
「モール」と言うのは日本だけのようで、
AliExpressで購入するときは「pipe cleaner」で検索すると出てきました。
(結局発注した5mmモールはやや太めだったので、使用しませんでしたが・・・)

回転体はφ6mm×3mmのネオジム磁石にぶら下げて回します。
3Dプリンターで作成したものに磁石をはめこみ(NSどちらでもOK)

土台と上板はφ6mmのストローでつなぎました。

土台の下の穴にワイヤーを入れ、上の磁石に画鋲をくっつけてぶら下げて完成です。

<考察>
動画の中にも載せておりますが、
時計の基板にコイルが接続されていたところの電圧波形を見ると、
1秒ごとに正と負のパルスが繰り返し発生しています。

時計の基板をそのまま使って①・②にコイルを接続し
バレリーナが回転しないか?試してみましたが、パワー不足で回りませんでした。

前回はコレクタ接地回路で作りましたが、
今回は電力利得が有利なエミッタ接地回路にしました。


<回転方向について>
コイルに1秒に一瞬、電流がながれたとき、コイルと磁石の位置関係が
下図の左の場合は、
N極同士が反発し、S極が引き寄せられることで時計回りの方向に回転をします。
右の場合もN極同士が反発し、S極が引き寄せられますが
この状態では反時計回りの方向に回転をします。

また時計回りの方向に回転をしている途中、
左の図の位置でコイルに電流が流れると回転の勢いが増します。
逆に右の図の位置でコイルに電流が流れるとブレーキがかかります。

これ以降は動画には記載していませんが、
もし下図ようになった場合はどちらに回転するの?と疑問がわきます。
実際、13台作ったうちの1台だけですが、
電池電圧が1.4V程度まで弱ると、この位置で時々止まってしまうものがありました。
それ以外の12台はアルカリ乾電池の場合、
1.0V程度まで 止まらず回転します。
この位置で止まらないようにする対策も考えてみました。
コイルを1個追加して下図のように接続すると、
コイルAとコイルBには1秒ごとに交互に電流が流れます。
コイルAに電流が流れたときに動かなくっても、
コイルBに電流が流れたときには回転をします。


余談ですが、15個分解した時計の基板のうち、
1個だけ不良品があり、発振したりしなかったり・・・
結局、この1個は使えませんでした。