2019年4月22日月曜日

カプセルの行進

カプセルが寝転んだり立ち上がったりしながら
転がる装置を作成しました。

この装置は、
Masakazu Fujiwaraさんの「KINETIC ART【CAPSULE_2L】」
を参考にさせて頂きました。
この映像を初めて見たのは1~2年前ですが
「おもしろ~い!」と感動し、
いつか私も真似して作ってみたいと思っていました。

詳細は書かれていないので、Fujiwaraさんの装置と
同じ仕組みかどうかはわかりませんが、
似たような動きのものを作ることが出来ました。

まずは映像から・・・



<私の装置の作り方>
カプセルを転がすところの容器は
ダイソーの「PET CONTAINER」(約550ml)を使用しました。
ガラス瓶のように見えますが、材質は飽和ポリエステル樹脂で厚みは1mm以下です。


蓋はアルミです。
蓋の中心に穴を開け、モーター軸を差し込み
モーターをネジ留めしています。

モーター軸の長さ調整のため、φ3mmのアルミパイプを継ぎ足しています。

モーターはこのようなものを使用しています。
ギア比はわかりませんが、トルクが大きく回転数は低いです。

 磁石を貼るための板です。
1枚につき4か所の金具を取り付けました。

この板と木製ビーズを交互にシャフトに差し込んでいきます。
(木製ビーズはシャフトにネジ留め、板は木製ビーズにネジ留めしています。)

磁石は金具にφ6mm×3mmを4個とφ12mm×3mmを1個取り付けました。
 (金具と磁石はエポキシ接着剤で固定、他は磁力でくっつけています。)

上から見たところ
計20箇所の磁石はランダムな配置にしてみました。

 透明の本体をかぶせ、モーターを土台に取り付け、
トグルスイッチ(2回路 3position(ON-OFF-ON))を使って配線をしました。
(スイッチの配線は下の方をご参照下さい。)

実は、この 透明の本体は簡単にかぶせることが出来ません。
φ12mmの磁石と容器の隙間を1~2mm程度にしているので、 

③の状態のままでは、少し口細になった容器の口を通らないのです。
そのため、ケースの口の近くに穴を開け、
③はφ6mm磁石4個だけくっつけた状態で1段ずつ挿入しながら
1番端のφ12mmの磁石はこの穴から1つずつ入れて
φ6mm磁石にくっつけるようにしました。

カプセルはこのようなものを使用しています。
長さは1~2mmカットした方が動きがよくなりますが、
あまり短くても動きが悪くなります。
中には φ6mmの鉄球を入れています。
ダイソーのマジック商品「起き上がったり飛び跳ねる!?」にも
同様のカプセルが使われてることを青森・野呂茂樹先生に教えて頂きました。
実はこの装置を作るきっかけになったのも
野呂先生が「ピコピコカプセル」を
Facebookにアップされているのを拝見し、
上で紹介したFujiwaraさんの作品を思い出したからなんです。

 透明ケースにかぶせるものは
ハイソックス(ポリエステル98%ポリウレタン2%)を使用しました。
筒にかぶせるときに継ぎ目がなく、伸縮性があるのでこれに決めたのですが
予想していなかった効果もありラッキーでした。

ハイソックスを切ってかぶせたところです。
電源はモバイルバッテリー(5V)です。

<気づいたこと>
映像の中にも書いてるのですが、
透明のケースに直にカプセルをくっつけると
カプセルがうまく転がらず、「イカぐるぐる」状態に・・・

どうしようと・・・と思って色々と試しているうちに、
カプセルが通る両側に1~2mm程度の壁があると、
うまく転がることがわかりました。
(下の写真は1.5mm厚のスポンジシートを取り付けたところです。)

当初は壁を作ってから、
ハイソックスをかぶせようと思っていたのですが
なんと!壁なしでハイソックスだけでもうまく転がるじゃあ~りませんか。
これにはビックリ!
恐らく摩擦抵抗が高いおかげなのでしょうね。

カプセルはMax20個取り付けられますが、
実際に20個くっつけると、ゴジャゴジャと狭苦しく
あまり見た目が良くありませんでした。
映像では13個のカプセルを付けています。

トグルスイッチ (2回路 3position(ON-OFF-ON))は
このように配線することで、モーターの正転・逆転が出来ます。

小さい頃「俵ころがし」のおもちゃを買ってもらって遊んだ記憶があります。
不思議だし面白いし、記憶に残るおもちゃでした。
最近では「まゆ玉コロコロ」と言う名称で、
下のようなものが販売されてるようです。
また「ピコピコカプセル」という名称でもネット上で作り方等 紹介されていますね。
これは私の作ったもの・・・(^^;
100均の木の箱(前面は透明カバー)を利用して作成しました。

「俵ころがし」等は重力で転がりながら落ちていきますが、
今回作成した装置は、重力の代わりに磁力によって転がります。
そのため、カプセルの中には鉄球を入れないとうまくいきません。

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最後に改めて、参考にさせて頂いたMasakazu Fujiwaraさんの
「KINETIC ART【CAPSULE_2L】」の動画のurlです。
このようなユニークな発想は、なかなか出来ないですね。
 Fujiwaraさんのおかげで楽しい作品を作ることが出来て感謝しています。

それにしても この動画の0:56/1:24あたりから、
カプセルの色が赤色~水色~黄色~紫色~緑色と変化するのは
どのような仕組みなのでしょうね・・・?

2019年4月6日土曜日

超音波ウキウキマシン

超音波センサーを分解して、超音波の送信機と受信機を取り出し
小さな発泡スチロールを浮かせる装置を作成しました。

この装置は、こちら ↓↓ の作品を参考に製作させて頂きました。
ドイツ語で書かれているので、
翻訳サイトに助けてもらいながら読んでいきましたが、
簡単な構成のため分かりやすく、書いてある通りに作成してみましたが、
最初は球の大きさが大きすぎたり、球の運び方が悪かったり
送受信機の間隔が定まらなかったりで
なかなか浮かず 約10分間 悪戦苦闘しました。
初めて浮いたときは 手が震え、でも証拠写真を撮らなきゃ!と思ったり・・・
とにかく感動でした。

まずは映像をご覧ください。

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<作り方>
超音波センサーを分解し、送信機と受信機を取り出しました。
秋月で販売されている 超音波センサ(送受信セット) を使えば、
この①の手間は省けそうです。

送信機は「T」、受信機は「R」と表示されています。

上側が受信機、下側が送信機となるように、
15mmφのアルミパイプ(左)および、
高さ調整が出来るように100均のカメラの3脚の足(右)
を使って組み立てました。



Arduino NanoとモータードライバーL298Nは箱の中におさめました。
Arduinoのプログラムも参考にさせて頂いたサイトに掲載されてるものを
そのまま利用させて頂きました。
Arduinoの知識がなくっても、書き込むだけでうまくいきます。

アルミパイプをシッカリ固定するために、
板の厚みを増やしています。(丸板のところ)


★送受信機への接続は悩ましいところでした。
下の写真のように送受信機に赤と白のリード線を接続し、送信機・受信機を並列にして
上の写真の「送受信機へ」つなぐのですが、
赤を左へつなげばいいのか?右へつなげばいいのか・・・?
と思いつつ 色々とやってみたところ、
どの線をどちらに繋いでもうまく動きました。
(勿論、赤・白両方とも左or右へというのはなしですが・・・(笑))

底板を閉じてネジ留めして完成です。
12V 2Aの電源アダプターを使っています。
配線をするときにダイオード1N4007(VF1.1V)2個直列にして、
入力電圧を2.2V下げています。

浮かせる発泡スチロール球は直径1~2mmのカラフルなものを使用しました。

<2機目の製作>
2機目は上下ともに、送信機を使って作ってみました。
距離をうまく調整すると、7個まで浮かすことが出来ました。
(スチロール球が偶数個浮く時は、上下の送信機が同相接続、
奇数個のときは、上下の送信機が逆相接続になっていると思われます。)


装置のスタイルも少し変更~♪
<気づいたこと>
 ★この装置は40kHzの超音波を出しているようですが、
送受信機に耳を近づけるとわずかに音が聞こえます。
超音波を出すときの振動により、どこかがぶつかる単なる機械音でしょうか?
それとも私が若いから!? (笑) いくら若くても40kHzは聞こえないはずですね。

★受信機の代わりに壁(プラ板)を置いても、
送信機からの音波が反射してうまくいくのでは?と思いやってみたところ、
取りあえず1球は浮きましたが、2球は無理でした。
受信機(円錐型の金属)と壁(フラットなプラスチック)の違いかも?と思い、
受信機に配線をせず単なる壁として使ってみると、2球浮きましたが
やはり受信機に配線をした方が安定感がありました。
受信機が何らかの発信をしてるなら、この逆にしても浮くのでは?
と思ってやってみましたが、浮きませんでした。
(その後、壁に鉄板(5mm厚)・鏡を使用すると2球浮上、
コピー用紙では浮きかけるものの1球も浮きませんでした。)

★空気中の音速を340m/s(1気圧・15℃)とすると
波長は 340m ÷ 40kHz = 8.5mm となり、
音圧の節は4.25mm間隔で発生することになります。
実際のスチロール球の間隔を測ってみたところ、
5球の間隔が約19mmとなり、平均約4.75mm間隔でした。

★モータードライバーから出力されている波形を
簡易オシロスコープで見てみました。
(超音波送受信機の端子に接続した両端子間の波形です。)

(Arduinoから出ている波形も同様の形ですが、電圧が低いです。)

★ひょっとして、PWM方式のモーターコントローラーを使えば
マイコンは不要で、電源と超音波送受信機に接続しただけで浮くかも~?
とワクワクしながらやってみましたが、無理でした(^^;
このようなコントローラーです。
出力波形はこのような感じで約27kHzでした。
超音波送受信機は40kHzあたりの周波数じゃないと動作しないようですね。
(秋月の超音波センサ(送受信セット)[UR1612MPR/UT1612MPR]の
データシートを見ると 中心周波数:40k±1kHz となっていました。)

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★★★ Facebook等で色々と教えて頂きながら下のようにまとめてみました。 ★★★
音は縦波のため、圧力変化と変位の変化があり、
スチロール球のトラップされる位置が決まります。

上図の
サイエンスチャンネル動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=FztbuXkLfD0

"超音波の話をしよう(13)「音響浮揚いろいろ」"は
こちらのサイトです。

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★★★ Facebookでいつもお世話になっている方が ★★★
シュミレーションをして下さいました。

定在波は固定端反射および,T,R素子共に同相駆動により生じています。
スチロール球は,圧力の節(変位の腹)部分に留まっていて,最大6か所と思われます。
目測のT,R間距離は少し調整しています。
また,放射角は製品の仕様とほぼ一致していました。
したがって,圧力の節(変位の腹)は水平方向に対しても節にになるため
圧力の節への引き込み現象が生じるのではと思います。

さらに、私の装置でスチロール球の間隔が計算上の4.25mmではなく
平均約4.75mm間隔となる理由の検証もして下さいました。
定在波の中心軸はコーンの傾斜面に直交するため斜めになり 
中心軸が真っすぐのときよりも音圧の節の間隔が長くなるということのようです。

こちらの論文のご紹介も頂きました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaib1979/71/712/71_712_2864/_pdf

また、調べてもわからなかった貴重な情報も教えて頂きました。
★網があると,位相の揃った直進波を生成しますが,
網が無い場合,内部の共振体からある角度をもって放射されるようです。
しかし,中心軸に対象であるので,
音波は重なり見かけ上,中心軸上を進むようになります。
このため定在波は独特な縞模様になり,
TR間においていくつもの”閉ざされた”節のエリアが生じることが予想できます。

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こちらの動画の3:09あたりを見ると
https://www.youtube.com/watch?v=XpNbyfxxkWE
ドライアイスの煙 シュリーレン装置で視覚化されたもの
が変位の腹(圧力の節)?に筋状に並んでいる様子が
綺麗に撮影されています。
(ドライアイスではなくシュリーレン装置であることを
下のコメントのところで、Nkenさんに教えて頂きました。
Nkenさん、ありがとうございました)

こちらの動画は水滴まで浮かせておられます。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=62&v=669AcEBpdsY

こちらの動画はあまりの凄さに唖然とします。
https://www.youtube.com/watch?v=odJxJRAxdFU&t=25s


色んな音響浮揚に関して、書かれています。
https://media.dmm-make.com/item/3853/

将来、これで空中に浮くテレビが作れるかも?って言ってました。
https://fabcross.jp/news/2018/01/20180111_u-tokyo.html

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最後にもう一度、 参考にさせて頂いたサイトのurlです。
プログラムもそのまま使用させて頂いています。
このサイトがなければ、私は決してこの装置を作れなかったので、
感謝しています。