2021年6月27日日曜日

ホールセンサー方式の「永久コマ」

永久コマには色んな仕組みのものがあります
私は以前、以下のような永久コマを作成しました。





今回はホールセンサーモジュールではなく、
ホールセンサー単体とトランジスタで作成してみました。

今回、3Dプリンターで印刷したものです。

回路は先日作成した「ホールセンサーモーター」と全く同じです。

コイルも前回と同じく、
ミシンのボビンにφ0.2mmのUEWを700回巻きです。

電源はモバイルバッテリーを使用します。

コイルの中心にラッチタイプのホールセンサー「SS41F」の刻印を上にして貼りました。
(コイルは鉄心なしの空芯です。)


今回使用したお皿は、セリアで3枚100円のものです。

3Dプリンターで作った高台を取り付けました。

コマ
N極とS極が1つずつ下を向くように貼っています。
(2個ともN極を下向きにしても回ります。)

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コマがなぜ回り続けるのか?考察してみましたが
まだよくわからない点も多々あります。
もしお気付きのことがあれば、是非教えて下さい。
<1>

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<2>
コイルの影響も考えてみました。
ホールセンサーの特徴として、
ホールセンサーの上側にN極が接近 ≒ ホールセンサーの下側にS極が接近
 となります。


上図を考慮すると、コイルの影響を無視した時・考慮した時の
ホールセンサーがオン・オフになる位置の目安はこのようになると思います。


コイルの影響がない場合は(①+②)が周期の半分でDuty比が50%だが、
コイルの影響を考慮すると(③+④)<(①+②)となり、Duty比は50%より下がる。


この下の写真の左は前回のホールセンサーモーターで
ホールセンサーとコイルは離れていて、コイルの影響がなくDuty比は約50%
右が今回の永久コマで、コイルの影響を受けてDuty比が50%以下となっています。

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ちょっと横道にそれましたが、改めてコマが回転する理由について考えます。

出来ればコイルがオンになって、
少しタイミングが遅れてコイルに電流が流れた方が
うまく回転する説明が付きそうなのでこのようなことも考えてみました。

<3>
ホールセンサーの動作時間・復旧時間の影響もあるかと思いましたが、
Rise time 1.5 usFall time 1.5 usとなっていて、
影響は小さいかも知れません。
(リードスイッチは動作時間 0.5ms・復旧時間0.05ms程度あります)

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<4>
コイルによるのRL回路の過渡現象の影響はあるのでしょうか・・・
今回のRL回路の時定数 はコイル以外のRを無視して
t=L/R s
0.00531H/20.3Ω=0.00026s〕= 0.26ms

定常状態の63%の電流値になるまでに約0.26ms
といった計算でいいのでしょうか・・・


コマが1周するのに約15msなので、約0.26msは無視できない時間でしょうか・・・?



2021年6月8日火曜日

ホールセンサーモーター

時計の基盤と電池電極を使っただけで、
残りの部品がもったいない!と思い、使い道を考えたところ、
このような「ホールセンサーモーター」が完成しました!


時計の秒針のところは摩擦抵抗が少なく軽く回転するので
何かの軸受けとして使えそう・・・思い、
まず「リードスイッチモーター」を作ったのですが、完成した直後
リードスイッチの代わりにホールセンサーで回らないかしら?
と思い始め、挑戦してみることに・・・

ホールセンサーを使ったモーターと言えば「ブラシレスモーター」がありますが、
リードスイッチモーターのような簡単な工作を目標に試行錯誤し、
なんとか完成~  ♪♪(^-^)v
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分針がついてたギアの先端は少し短く切って
(下写真 左が切る前、右が切った後)

これと、秒針がついてたギア(細い針金つきのもの)と中板の3点のみを
黒いケースにおさめました。

こんな感じです。

こちらが3Dプリンターで作成したものです。

回転体にはφ6mm×3mmの磁石を6個取り付けています。
(左は秒針の軸受けを使用したもの、右は軸受けも3Dプリンターで印刷したもの)
磁石はNS交互に取り付けるか Nが全て外向きになるように取り付けます。
(下の方の考察をご覧ください)

ホールセンサー(US1881LUA)は左右に移動できるようにしました。
刻印の面がこちらを向いています。
US1881LUAはラッチタイプです。

コイルはφ0.2mmを約700回巻きました。

ホールセンサー(US1881LUA)の電圧範囲は3.5V~24Vなので、
5Vのモバイルバッテリーを使用することにしました。

回路はこのようにしました。

当初、コイルにLEDを逆向き並列接続にして、
コイルが切れるときの自己誘導起電力でLEDを光らせようとしましたが、
LEDに直列抵抗を入れても、切れてしまうものがあり、
ひょっとすると時々大きな逆起電力が発生してるのかな?と思って、ダイオードに変更。
LEDはパイロットランプとしてつけておきました。(LEDはなくても回ります)

配線をしたところです。

ホールセンサーと磁石、コイルと磁石の間隔はなるべく狭い方がよく回ります。



上の動画では、コイルは空芯にしていますが、
鉄心を入れると、より速く回転をします。


上の動画で なんとなく神戸ポートタワー?なるものをご覧頂きましたが
神戸ポートタワーのような構造を「双曲面構造」と言うそうです。
なぜ?横から見ると、曲線に見えるのか?3DCADで確認してみました。


~~~~~~~~~~<考察>~~~~~~~~~~

ホールセンサーには大きく分けて3種類あります。
・アナログ出力タイプ(リニアタイプ)
・ラッチタイプ
・スイッチタイプ
それぞれの詳細説明はこちらにわかりやすい書かれています。

アナログ出力タイプのものは、以前 「磁気浮上装置」や「磁気測定器」で使用しましたが、
今回、リードスイッチモーターのように使用するなら、
「ラッチタイプ」又は「スイッチタイプ」かな?と思って、
手持ちのホールセンサーを見ると、以前に秋月電子通商で購入していた
ラッチタイプのUS1881LUA があったので、これで作成しました。

ラッチタイプのホールセンサーはN極が近付くとHIGHになり、
S極が近付くとLOWになります。
(S極が近付かないとHIGHのままです)
(ラッチタイプはバイポーラとも呼ばれるそうです)

ホールセンサーの位置によって回転方向が変わるのは下図ような理由です。
(リードスイッチモーターと同様です。)


ラッチタイプはS極が接近しないとLOWになりません。
ところが、下図左のように6個全てN極を外向きにしても回転します。
そしてこの方が回転も速いです。
その理由は下図の右のような磁力線により、
N極同士の間がS極とみなされ、LOWになるのでは?と考えました。

この後、AliExpressで購入した「US1881」でも試したところうまく回転しました。
ただ、N極とS極の反応が逆になっているのか?
N極をすべて外向きに貼った装置では、
ホールセンサーの刻印じゃない方を磁石に接近させることでうまく回転しました。
(みなしのS極ではLOWには出来るが、HIGHにはできない???)

AliExpressで購入したスイッチタイプのホールセンサー「A3144E」も
うまく回転しました。
スイッチタイプには単極検出(ユニポーラ)と両極検出(オムニポーラ)がありますが、
「A3144E」はユニポーラと思います。
(N接近でHIGH 離してもHIGH保持、S接近でLOW 離すとHIGH)
(「OH137」もユニポーラのようです。)


 
ローターが回転しているときの、コイル両端①~②の電圧波形です。
「US1881LUA」(ラッチタイプ)    
<ローターの磁石はNS交互・コイルは空芯

<ローターの磁石はNが全て外・コイルは空芯

<ローターの磁石はNが全て外・コイルは鉄心入り

「A3144E」(スイッチタイプ ユニポーラ) 
<ローターの磁石はNS交互・コイルは空芯

ラッチタイプとスイッチタイプではDuty比が違うことがわかりました。

次はこの回路を使って、「永久コマ」に挑戦します♪