2020年11月8日日曜日

押す人

先日、機構について調べていたところ、
大変興味深いサイトを見つけました。

まるで、人が壁を押してるようなこの姿は
ウォルトディズニー研究所で考えられた機構とのこと・・・
こちらの映像には、他の機構も紹介されていました。

さらに、この装置の3Dデーターを公開されてるサイトも見つけ
挑戦してみました。

基本的には、上記サイトの3Dデーターを使わせて頂きましたが、
接続部、ギアのサイズ等、少し変更しています。

モーター駆動部や前進させるためのギア部も私のオリジナルです(^^)v

この下の写真3枚が、熱溶解方式の3Dプリンターで印刷したものです。
ギアは参考サイトのデーターのままだと、「あそび」が考慮されておらず、
きつくて回らないので、少しずつ小さくしています。

この枠はハンドル方式で作成したときのものですが、
モーター方式では、モーターを取り付けられるように少し改造しました。

人と人を支える支柱です。
支柱は参考データーより、厚く&太くしています。

まずはこのようはハンドル方式の装置を作成しました。
ハンドルが繋がってるところは、4mmの六角レンチを使用しています。
それ以外はM2、M3のネジを繋ぎに使用しました。

これはモーター方式のものです。
ハンドル方式との違いは、
六角レンチの奥側にギアを1枚追加、
ギアモーターの軸にもギアを接続し、咬み合わせています。
モーターコントローラーも接続し、速度調整が出来るようにしました。


ビデオの最後の前進する装置には、
この3つのギアを追加しました。
黄色ギアは2段にして、上段は半分だけギアを取り付けています。
これで、押したときだけ前進します。
緑ギアは車輪となるところなので、ゴム風船をかぶせて滑り止めとしました。。

上の写真の緑は後輪ですが、前輪も取り付けています。

ギアモーターは金属製のギア比1:298のものを使用しました。
電池は単3型のリチウムイオン電池(14500) 3.7V を使用しています。


2020年10月19日月曜日

テンセグリティ3種

以前から一度作ってみたいと思っていた「テンセグリティ」に挑戦してみました。



「Flying Man」はこちらを参考に作成させて頂きました。
発想がユニークで素晴らしいですね。

絵を真似ながら3DCADで描き
熱溶解方式の3Dプリンターで印刷しました。

「Flying Man」の胴体・頭・腕・足ははめ込み式にしています。
映像の作品は浮いてる感を出したいため、
テグスを使用していますが、
たこ糸で作ると下の写真のような感じです。
3か所をたこ糸でつないでいます。

前から見たところ

「Flying Man」の間のタワーはこちらを参考に作成させて頂きました。
かなり規模が違いますが・・・(^^;

映像後半の角型のものに乗せている「チェシャかぼちゃ猫」は
こちらの作品を縮小して使用させて頂きました。
ちょうど今の季節、ハロウィンらしくていいですね。
光造形方式の3Dプリンターで印刷しています。

チェシャ猫一家~~パパ(真ん中)、ママ(左)、子供(右)~~

この角型の装置も、3か所のテグスで支えています。
(下の写真はテグスのところを画像ソフトで黒の点線にしています。)







2020年10月11日日曜日

二重反転絵柄

 「KINETIC ART」で検索すると、時計のムーブメントを利用して
不思議な回転をする装置を時々見かけます。
例えばこちら
私にはこのような凄い装置は無理ですが、
二重反転により奥と手前の回転体が反対向きに回転することで、
模様を描く装置を作りました。

部品は下の写真の通りです。
土台部分は熱溶解方式の3Dプリンターで
固定ケース、ベベルギア、回転体は光造形方式の3Dプリンターで作成しました。

ギアモーターはギア比が1:298のものです。
ベベルギア3つはレジンを材料に光造形方式の3Dプリンターで
ギア比1:1で作成しました。
手前側(下写真では下側)のベベルギアにはφ3mmアルミパイプを取り付け
奥側(下写真では上側)のベベルギアには1.8mmの六角シャフトを取り付け、
シャフトはパイプの穴を貫通し、
パイプもシャフトも白い面の手前まで出ています。

ギアモーターに取り付けたベベルギアが回転すると、
手前側と奥側のベベルギアはそれぞれ反対向きに回転します。


レジンを固めた自作ベベルギアでは、
購入したものに比べ強度不足のため、いつまで持つか分からないですが、
今のところ、まだまだ大丈夫そうです(^^;

レジンで作成したものは、瞬間接着剤(502)とのなじみが良く
ところどころ、瞬間接着剤(502)で固定しています。
(例えばφ3mmパイプとベベルギア)

完成後、ベベルギアには油を差して回しています。

②の前面に出したアルミパイプに回転体の1つを取り付けました。


もう1つの回転体はシャフトに取り付けています。


電源~モーターコントローラー~トグルスイッチ~ギアモーターと接続

2回路2接点のトグルスイッチはこのように接続することで
スイッチを切り替えると、モーターが反転します。


今回作成した6パターンです。
最後の鶴は「鶴の丸」を思い浮かべながら作りましたが、
なかなか思うようには作れませんでした(^^;





2020年9月22日火曜日

テオ・ヤンセン馬車 miniバージョン

 先日、「テオ・ヤンセン馬車」を作りましたが、
そのminiバージョンを6台作ってみました。

奥の2台(緑・青)が前回作ったLargeバージョンの色違い、
手前の6台がminiバージョンです。
白・ピンク・緑はゆっくり歩くタイプ、
紫・青・黄色は早く歩くタイプです。

光造形方式の3Dプリンターで
このような部品を印刷しました。
(透明又は白のレジンに着色料を入れて色を付けています)

小さく仕上げるため、25mm×12mm×10mm程度のギアモーターを使用しました。
ギアも全て金属製で頑丈です。
(ゆっくりタイプは6V200rpm、速いタイプは6V500rpmです。)

ベベルギア(ギア比1:2)を作成し、回転方向を変えています。

前回と同様、「ホーリーナンバー」と呼ばれる比率に従って作成しました。
kはa,b,c,dの交点に当たってしまうので少し曲げています。


車輪を取り付けたところです。


電源はリポパックを使用しています。

リポパック(リチウムポリマーバッテリー)は、
取扱いを間違えると火災や怪我の危険性がありますので、
取扱には十分な注意が必要です。 
もしご使用になる場合は、こちら ↓ の注意事項をご確認ください。



2020年8月31日月曜日

テオ・ヤンセン馬車

Facebookお友達の Lien Tedさん
今年の4月30日にアップされた作品を拝見してとても感動し
私も3Dプリンターを購入したら是非、真似して作ってみたいと思っていました。
Lien Tedさんの作品はこちらです。

Lien Tedさんも MakerMind.SGさんの作品を参考にされたようです。

脚のところはテオ・ヤンセン機構です。
「ホーリーナンバー」と呼ばれる黄金比を元に、
Fusion3603Dデーターを作成、
ソフト内のシュミレーションでもうまく動くように出来たので
実際に3Dプリンターで印刷し組み立ててみました。
何度も失敗しながらですが、なんとか完成しました。

こちらが3Dプリンターで印刷したものです。

①を1:48のTTモーターに取り付けていきます。

脚部のテオ・ヤンセン機構は
「ホーリーナンバー」と呼ばれる比率に従って作成しました。

反対側の足は180度ずらして取り付けます。

馬車の荷台をTTモーターにネジ留めしています。
(TTモーターの黄色プラスチックにネジ用の穴を開けました。)

⑤と同じサイズで下に車輪のシャフト穴を付けた板を
スペーサー経由で⑤に取り付けます。
さらにφ2mmのシャフトを通し、車輪を取り付けたところです。

モーター~電池ケース(単3アルカリ3本使用)~スイッチを繋いだら完成です。

MakerMind.SGさん、Lien Tedさんの素晴らしいアイデアに感謝しています。

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私の3Dプリンターは光造形式で「水洗いレジン」を材料としているのですが、
印刷後、曲げると「しなる」ような感じがします。
上の⑦のような姿勢で2日間 置いたままにしていたら
脚の三角のところが曲がってしまいました。
(保管するときは寝かせないといけません)

また落下させたときに割れたところもあり、
やや強度不足のような気もします。
もう少し厚めに印刷するとか、
今後、色々と工夫をしていきたいと思います。



2020年8月18日火曜日

ホールセンサーを使った「磁気測定器」Part2

約3か月前に、ホールセンサーを使った「磁気測定器」を作りました。
この投稿を見て下さった横浜市のMukujiiさんより、
ホールセンサーの「THS119」はUGN3503」より
もう少し広範囲に磁力を測定できることを教えて頂きました。
(「THS119」は2000Gまで,UGN3503」は900Gまで)

  これは「THS119」のグラフで
左はB=1000Gのときのホール電圧と制御電流Ic、
右はIc=5mAのときのホール電圧と磁束密度を示したものです。
これを見ても2000Gまでプロットされ、ここまで測定できることがわかります。
色々と調べてみましたが、実際に入手できるホールセンサーで
ここまで広範囲に測定できるものは他には見当たりませんでした。

「THS119」は東芝製で数年前まで日本で製造・販売されていたようですが
残念ながら、もう日本で販売されているところが見つからず、
中国のAliExpressで購入してみることに・・・
届いた「THS119」は東芝製のものではありませんでしたが
(以前販売されていた「THS119」の写真と見比べると刻印、形状も違いました)
この装置を作ってみて、性能は悪くないと感じました。

こちらが完成後の映像です。
 

この装置の製作にあたっては、Mukujiiさんからヒントとご助言を頂き、
下記のように作成しました。

まず、「THS119」とUGN3503」の違いですが、
★「UGN3503」は定電圧動作タイプ
「THS119」は定電流動作タイプでリニア性が良く高精度だが
定電流回路が必要。

こちらが定電流回路と増幅回路です。

オペアンプ①はLMC358としました。
オペアンプ②・③は1つのオペアンプを共用出来ます。
CMOSオペアンプ(LMC662、NJU7062Dなど)が良さそうです。

ツェナーダイオードは、オペアンプ①のバーチャルショートが成立するように
2~3Vあたりにします。(私は3Vでは成立せず、2Vにしました)

抵抗①は1kΩ

抵抗②は2SC1815のIcが5mAとなるように設定します。
私の場合はエミッタ電圧が約1.78Vなので、357Ωですが
357Ωを作るのが難しく351Ωとしました。

抵抗③÷抵抗④が増幅率となります。
例えば、ホール電圧が80mVのとき、上のグラフ(右)より1000mGです。
読み取った電圧=ガウス値となるとわかりやすいので
増幅率は1000mV ÷ 80mV = 12.5倍 とします。
(取りあえず抵抗③=1MΩ、④=80kΩ、増幅率=12.5倍として後で補正する)

VoutA、Bのどちらに電圧が出ているのか(N・Sどちら?)は
Arduinoの中で判定します。

ここまでの回路はブレッドボードで組み立てました。

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今回、モニターは 0.96インチ128×64ドット有機ELディスプレイ(OLED
を使用しました。
小さいですが綺麗に表示されます。
(動画ではちらついているように見えますが、実際はちらつきはないです。)
最初に少し設定をしないといけませんが、こちらにわかりやすく記載されています。

ArduinoとOLED、上記の定電流&増幅回路との接続は
このようにしました。


プログラムはこちらです。

Arduinoはブレッドボードの右に置きました。
(上向きにするとArduinoのLEDがモニターの白プラスチック板を透過するので、裏向きにしています。)

モニターは白プラスチック板に固定し、ブレッドボードの上に配置しました。


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取りあえずこれで完成ですが、
これでは本当にちゃんとしたガウス値が出ているのか?不安です。

市販のガウスメーターをお持ちの方に特定の磁石を測定して頂き
その結果と比較すると、
約85%くらいの値しか出ていませんでした。

そこで、上記の抵抗④の80kΩを 80kΩ×0.85=68kΩとすることで、
市販のガウスメーターの測定値とほぼ同じ値となりました。

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今回、この装置を作成するにあたって、
Mukujiiさんに色んなことを教えて頂き心から感謝しています。

MukujiiさんのHPはこちらです。