先日、兵庫県の北野先生から教えて頂いた実験、
くまとりモーターでなんと時計の針がグルグル回る!?
Facebookに動画をアップしてたのですが、
折角なので、blogにも記載することにしました。
回転する理由についても色々と考察したのですが
どなたかご意見 頂けると嬉しいです。
どなたかご意見 頂けると嬉しいです。
小型扇風機から取り出したくまとりモーターで
ローター部を取り外したところです。
ローターの青っぽいところが回転子で
コイル下の大きな穴のところにおさまっています。
コイルから四角状に出ている鉄心の2か所にくまとりコイルが巻かれていて、
主コイルとくまとりコイルの位相がずれることで
水晶時計の仕組みはこちらに詳しく記載されています。
水晶振動子で32768Hzを発振、分周回路で15分周され
1秒に1回(1Hz)駆動パルスを時計内のコイルに送り
1段目のギアが約180度回転するといった仕組みになると思います。
これは私が以前測定した波形ですが、
発生するパルスは、正・負 交互になっています。
時計の小さな磁石が必ず同じ方向に回転する理由は
このようなイメージかと思います。
この時計をくまとりモーターの上に置いて
スイッチを入れると時計の針が回転します。
スイッチオンにするタイミングで回転方向は
時計回り、反時計回りどちらにもなります。
(もちろん時計には電池は入っていません)
なぜ、時計の針がグルグル回るのか?
色々と考察してみました
色々と考察してみました
私が考えたのは
①
くまとりモーターのコイルから時計のコイルに
電磁誘導(相互誘導)が発生し
時計のコイルに交流が流れ、針が回った。
②
くまとりモーターの回転磁界により
時計の1段目のギアにについてる磁石が回転した
③
その他
<検証実験>
①
くまとりモーターのコイルは空気を介して
どの程度 相互誘導出来るか?
M6ボルトに0.35mmφのUEWを400回巻いたコイルの両端に
LEDを接続して、くまとりモーターに近付けましたが
LEDは光りませんでした。
次にM16ボルトにφ3.5mmのUEWを1000回巻いたコイルの両端に
LEDを接続して、くまとりモーターに近付けたところ
かなり明るく光りました。
時計のコイルは恐らく0.1mmφ以下の細い線が
数100~2000回くらい巻いてあるような気がします。
ひょっとすると相互誘導の可能性もあるかも知れません。
・・・と勘違いをしていたのですが
コイルがつながっているところの基盤はこのようになっています。
相互誘導が発生し、コイルに電流が流れても
この基盤の黒い制御部分で抑制され、
恐らく流れないことがわかりました。
②
回転磁界による影響
まず回転磁界が発生しやすい、鉄心の真ん中あたりで
永久コマで使ったコマを回したところうまく回転!
ところが回転磁界の影響が少ない、
くまとりモーターから少し離れたところでも回ります。
さらに磁石はN、Sを対に貼っても、同じ極同士にしても回ります。
着磁方向が高さ方向のリング状の磁石を貼っても回ります。
そこで、くまとりモーターではなく、ただのコイルでやってみました。
これなら回転磁界は発生しないはずです。
M16ボルトにφ3.5mmのUEWを1000回巻いたコイルに
20Vの交流をかけてこまを回すと、回りました。
コイルを寝かせた状態でも、立てた状態でも回りました。
これで回転磁界の影響もないような気がします。
最後に、このでっかいコイルの上で時計の針を回してみました。
最後に思い付いた回転理由は、
以前作成した「振動するオブジェ」
この装置は、交流によって磁石が振動し それを回転に変えていました。
一度回り始めると同じ方向に回転し
ちょっとした衝撃があると回転方向が変わったりもします。
その動きもよく似ています。
色々と考えた結果、このようになりましたが
ご意見、間違い指摘 等頂けると嬉しいです。
宜しくお願いします。
これ以外の実験や工作も掲載していますので、
こちらも見てみて下さい。
不思議な現象ですね、それにしてもこの組み合わせを良く思いついたものですね。
返信削除私は②かと思いましたが違ったのですね。最後の電磁石を立ててその上で独楽が回るのも不思議です。秒針の回転数がかなり速いですね、この回転数とギヤ比から永久磁石の回転数を割り出して60Hzとの関係が割り出せないでしょうか?
啄童さん
削除先日、電子タイマーを作られてましたねヽ(^-^)/
コンデンサ&トランジスタ使用は、LEDホタルを想像しましたが、
これにリレーを組み込めば、モーター等も駆動できるのですね。
電子タイマーと言えば、タイマーIC555 など思ってしまいますが
こちらも容量が大きいものはリレーやダーリントントランジスタが必要になり、
回路もややこしくなるので、今度 タイマー回路を組む機会があれば
啄童さんの回路を参考に作りたいと思います。
今回の私の投稿も見て下さって、コメント下さってありがとうございます♪
私もずっと②とばかり思って、それを証明するために検証実験をやってました(^^;
ところがやっていくうちに、回転磁界は関係ないような気がしてきたのです・・・
最後の映像のように、コイル単独に交流を流しても
時計の針や磁石を貼ったコマが回転したときはビックリしました。
時計の針は、60Hzすべてに反応して60回転するのは機械的に無理なので
そのうちの2回分に反応し、1秒間に2回 回っているように思います。
60Hzなら、1回転、2回転、3回転、4回転、5回転、6回転、10回転、
12回転、15回転、20回転、30回転、60回転
と60の約数の回転が 1秒間に可能のような気がします。
もし、分針や時針に繋がったギアを外せば、秒針はもっと速く回転しそうですね。
磁石を貼ったコマは、1秒間に10~20回転くらいしているように思いました。
時計に使われているモータは、ステッピングモータが主流です。
返信削除ステッピングモータの特性で、1パルスで動く角度が決まって
いるので、平ギアと組み合わせて1秒から1/60秒さらに
1/3600秒として、針(正しくはムーブメント)を回転
させます。
ステッピングモータがそんなに安いの?と疑問に思うかも
知れませんが、大阪日本橋のデジットで¥100で入手
できる程度ですから、10万個単位で作れば多分¥5くらい
になります。
ステッピングモータならば、常に正のパルスしか与えないのでは
と思うかもしれませんが、ユニポーラとバイポーラではパルスの
与え方が異なるので、そこから考えてみてください。
コメントありがとうございます。
削除今回、私が使用した時計は ダイソーで購入したもので、
1秒間に一度、コイルに近いところのギアが180度 回転していました。
以前、波形を測定したところ、正・負に交互にパルスを発生しておりました。
私がblog内で記載した、「時計の小さな磁石が必ず同じ方向に回転する理由」のところが
おかしいのでしょうか?
chieさん、ここに飛んできて良かったです。やはりchieさんの解説は丁寧でしかも順序だてられていて分かりやすいです。自転車の(交流)発電機に矩形波を入れると回転しますが、周波数を変えるとその変化とともに回転数もある範囲で付いて来ます。似ているところもあるようですね。
返信削除渡辺先生、見て下さって嬉しいです。ありがとうございます♪
削除自転車の発電機は、いわゆる「ダイナモ」ですね。
矩形波の周波数が高いと、回転はついていけなく周波数の数分の1とかの回転になるのかしら?
機械と電気の両方が兼ねあって成り立つところなど、面白いですね。
丁寧な検証作業をされておられ感服です。コメント読みましたら,時計ユニットに電池は入っていないということですから,時計のコイルの磁界が及んでもモータードライバはOFFなので電流は流れないですね。ところで,時計の秒針が進むのは(ローターが必ず一方向に180度回転するのは)ステップモーターのコの字形のステーターの形状が関係しているようです。駆動時の磁束の方向に対して,OFFのときは約45の向きにローターの磁極が静止するようにステーターの一部に突起が設けられている(またはローターに近接している)と思います。この状態では,ローターの磁石による磁束は一番磁気抵抗の少ないルートをたどるためそうなるのです。しかし,コイルで駆動すると,ステーターの突起部(または近接部)は磁気抵抗のためすぐ飽和します。すると,この部分の磁束は相対的に低下するので,こいるによる磁束は主要ルートに沿うようにローターの磁極が回転することになるかと思います。そこで,ローターを抜いたくまとりモーターを近づけた時の状態になりますが,そのときの時計側のステーターがくまとりの界磁によって飽和するかどうかです。飽和すると時計のローターに一層影響を与えますし,飽和しなければ,時計のコイルが行うのをくまとりモーターのコイルが行なうのと同じく秒針が正規の方向に進むはずです。したがって,秒針が逆転するということは,時計側のステーターが飽和するほどの影響を与えたからではないでしょうか。
返信削除熊谷様
削除コメント、ありがとうございます。
時計の針の正転・逆転は時計側のステーターがくまとりの界磁によって
飽和するか否かで決まるということですね。
ぺージ内の動画のように、スイイチをオン・オフするたびに、
回転方向が変わっていますが、
飽和するか否かは、ほぼ同条件下でも、
このように変わるものなのでしょうか?
冒頭の「時計のコイルの磁界が及んでも
モータードライバはOFFなので電流は流れないですね。」
のところですが、
空気を介した相互誘導により、
時計内のコイルに電流が流れることも考えられると思うのですが・・・?
ただ周波数が低いので、相互誘導は発生しにくいですが
検証実験①のように、条件によっては60Hzでも2次側コイルに電流が流れています。
説明不足でしたね。隈取からの回転磁界が弱い状態では,秒針は正転するでしょうけれども,時計のステーターが飽和した状態では,逆転,正転はそのときのタイミングでしょう。ただ,これは一般論であって,時計のステップモーターは矩形電流ですが,隈取コイルの電流(コイルによる磁束密度も)サインウェーブなので結果がどうなるのかは単なる予想で結論づけることはできでないと思います。ただ,影響がどのようなときに及ぶのかについて言及させていただいたつもりでした。あと,相互誘導の件ですが,コイルを変化する磁束が鎖交すれば誘導起電力が生じ,コイルが閉じていれば電流が流れるのは当然かと思います。「M16ボルトにφ3.5mmのUEWを1000回巻いたコイルの実験」では,そのようになったのだと思います。LEDを通して閉じたわけです。しかし時計のステップモーターのコイルに相互誘導が生じても,時計ユニットドライバーのMOS型FETのスイッチゲートに電圧が印加されていない以上,はおそらくOFFのままではないかと思いますが。もちろん,計測したわけではありません。
削除熊谷さん
削除ステーターの飽和の件、了解しました。
それと相互誘導の方は私の勘違いでした(^^;
100均の時計にはFETは使われてませんが、それらしき基盤が入っているので
ここで抑制され、電流は流れないのでしょうね。
上の検証実験①のところに写真とともに、追記したので見て頂けると幸いです。
ありがとうございました。
追加されました拡大写真と分かりやすいご説明に感謝いたします。上橋様の興味深い実験のおかげでわたし自身、アナログ時計について余り気に留めていませんでしたので大変勉強になりました。
返信削除熊谷さん、ありがとうございます。
削除今後ともご教授のほど、宜しくお願いします。
鉄心の形状が微妙に違うことで、マグネットの回転方向が変わりました。この理由を教えていただけませんか?
返信削除