2020年3月13日金曜日

透明モーターPart2

以前、このような透明モーターを作りました。

さらにさかのぼると、初めて作ったのが2007年
ジャンクホビー工房の有馬さんの作品を見たことがきっかけでした。
それ以来、有馬さんとは懇意にさせて頂いてます(^-^)

今回、モーターのことをもっと詳しく知りたいと思って、
改めて「透明モーター」に挑戦してみました。
前回の装置は、コイルを1か所だけに取り付けたので
振動が大きく、光る位置の特定が出来ませんでしたが
今回の装置は、3つのコイル全てにLEDを取り付けることで安定して回転し、
光る位置の把握が出来るようになりました。

<作り方>
小型DCモーターを分解し、ローター部を取り出します。
コイルがハンダ付けされている3か所にLEDを取り付けます。
 今回は2種類のものを作りました。
・青色LED2個を逆向きの並列接続にしたものを3セットつくり、
極性を合わせてコイルに接続
・赤と青のチップが逆向き接続で内蔵されているLED
こちらも極性を合わせてコイルに接続しました。

土台はこのようにつくりました。
 ピップエレキバンを使ったところにモーター軸をくっつけて
ぶら下げて回すのですが、ここにネオジム磁石を使用すると
吸着が強すぎて回転しにくいのでこれを使用しました。

<なぜこのように光るのか?考察>
通常、LEDは1.5Vの乾電池1本では点灯しません。
ところがこの装置では乾電池1本で光っています。
これは自己誘導起電力を利用したものです。
3つのコイルに流れる電流は常に変化しています。
電流が変化するとコイル内の磁束が変化し、自己誘導起電力が発生します。
V=-L・ΔI/Δt

映像で見ると、<図1>ー上の約30度、90度、270度の
3か所で光っているように見えていますが、
実際は約30度、90度、150度、210度、270度、330度の6か所で
光る可能性があると考えています。

光るタイミングは、ローターが1回転する中で6回あります。
・整流子の溝が右のブラシでショートするとき・・・3回(<図1>-下-左)
・整流子の溝が左のブラシでショートするとき・・・3回(<図1>-下-右)
<図1>

整流子の溝がブラシのところにくると、
3つのコイルに流れる電流が変化します。
この電流変化による自己誘導起電力により、LEDが点灯すると思います。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

さらに直流3極モーターについて色々と考察してみました。
まだよくわからない点も多々あり、間違い等もあると思いますので
何かお気付きのことがあれば教えて頂けると幸いです。
どうか宜しくお願いします。
(この下の埋め込み文章が読みにくい場合は、こちらをご覧ください。
かなり大きく表示されますが・・・(^^;)




16 件のコメント:

  1. 渡辺 聰明2020年3月14日 17:23

    作品も、解説も素晴らしいです。今までの解説もそうなのですが、どれほど多くの時間をかけていらっしゃるのか想像もつきません。私ならば最初から取り組まないか、あるいは途中頓挫です。chieさんのような方は曽ての同僚にお一人だけいました。今あるのは、その方の御陰とも思っています。作品には木製の軸受けが時々見受けられますが、私はこの位置決めがうまくいかず、よく繊維のために横ずれを起こします。宜しければ、その秘訣を教えていただけませんか。

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    1. 渡辺先生、嬉しいコメント下さってありがとうございます♪
      私には知識がなくわからないことだらけで、
      渡辺先生をはじめ、みなさんについていきたいの一心で必死に理解しようとしているだけです(^^;
      (電験の資格こそ持っていますが、綺麗さっぱり忘れています(-"-;))
      木製の軸受け、私もかなりいい加減です。
      今回は下の木板の大体中心に穴をあけ、上の鉄棒にエレキバンをまず磁力で吸着し
      実際に回して、横から上からと眺めて、
      これでいいかな?と思うところに瞬間接着剤で貼りました。本当にいい加減ですね(^^;
      最近、このような磁石ぶら下げ方式をよく使っていますが、
      ぶら下げる磁石(今回はエレキバン)の面積が大きいと、
      回転した時必ず横にずれてしまうので、
      なるべく面積の小さな磁石を使うこともポイントですね。

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    2. 先ほどは失礼しました。階下からの声がありまして。 "いい加減"一番難しいところです。"いい加減にやっとけー"とは全く違うのですから。私は、ずれた穴は木ねじの場合相手の木ねじの位置で調整したり、穴を大きくして木釘を打ち込んで調整とか、ボルトナット方式とか。でも軸穴だけはうまくいかないので、調整ネジを加える羽目になり大儀すぎて止めになってしまいます。chieさんの吊り下げ方式、私には真似ができません。凄いです。

      解説中 <コイルが図5の位置にある場合で考えてみます>の ③一定速度に安定した時(回転が速くeも大きい) (A)と(B)を差し引きした結果、について (A)と(B)はどの辺りに記載されている値、あるいは式なのでしょうか。見つけられないでいます。

      整流子片間にLED2個を逆接続並列というのは素晴らしいアイディアです。真上から見てほぼ同じ位置に見えているものでしょうか、またはどちらかが少し遅れた位置に現れるのでしょうか。オシロスコープに現れる林立したスパイク状のものを見るより余程分かり安いです。有り難うございます。

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    3. 渡辺先生、ありがとうございます。
      解説中の(A)と(B)の件、大変失礼しました。
      途中で①と②に変えたのに修正するのを忘れていました。
      今、修正しました。
      LED2個を逆接続並列の件は、映像前半の方は
      1つのLEDの中に赤と青のチップが逆向き接続されているものを使っています。
      ただ、赤と青では光る位置が異なるります。
      もし両方同時に光るとマゼンタで見えるはずですが、
      赤又は青のどちらかの色しか見えないので同時に光ることはないと思っています。

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    4. もう一つの興味は、ブラシ間にLEDをつないだ場合の発光です。電池の起電力に対して順、逆方向どちらの接続も発光するかどうかなど。本当に興味深い実験です。

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    5. 渡辺先生、ブラシ間にLEDやってみました。
      順方向では赤・青ともに光り、
      逆方向では青のみ光りました。
      これは野呂先生のモーター電極につなぐ実験と似ていますが、
      私の装置では、各コイルに繋いだLEDで、
      逆起電力分はある程度吸収されてるのかしらね・・・?

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    6. 試してくださったのですね。有難うございます。chieさんの場合は各コイルにつないでいますから、LEDにはとてもよく流れ込みます。ブラシ経由だと、OFF時に空隙か接触抵抗が発生するとその部分へのエネルギー放出があると思います。

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  2. ●はじめまして,祐誠高校の増崎です.以前から智恵さんの作品には注目しておりました.どれも素晴らしい作品ですね.

    ●智恵さんと方式は異なりますが,単極モータにLEDを装着した

      ・LEDが点灯しながら回転!光る単極モータ
       https://bit.ly/2Js2vIf ( 28ページ )
       https://bit.ly/2Xo0jqf ( 動画 )

    を制作しました.ご高覧いただければ幸いです….

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    1. 増崎様
      はじめまして。以前から見て下さってるとのことでとても嬉しいです。ありがとうございます。
      「光る単極モータ」拝見しました。
      コイン型電池(CR2032)でモーターを回すことは難しいと思っていましたが
      2個直列とは言え、ちゃんと回っていてビックリしました。
      流せる電流が少ない分、磁力を強めることでうまく回るのでしょうか・・・?
      赤色LEDも電池2個(6V)に2個並列に繋がれてますが、
      抵抗なしでも壊れないのはCR2032から流せる電流が少ないのと、
      ハンダ吸取線がずっと磁石に接触してるのではなく、
      ある程度、オンオフ状態を繰り返してるからでしょうか?

      是非また面白い作品があれば、教えて下さいね。
      これからもどうか宜しくお願いします。

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    2. ●コメントありがとうございます.智恵さんの審美眼はスゴイですね.
      恐れ入ります….

      ●ちなみに静止状態の電圧と電流を測定したところ,それぞれ
      6.3Vと73.4mAありました.

      ●ご指摘のようにハンダ吸取線がずっと磁石に接触してるのでは
      なく,回転時の電流はオンオフ状態を繰り返してると思われます.
      もしかすると抵抗なしでも壊れない,ギリギリの状態かも知れませんね….

      ●こちらこそ,よろしくお願いいたします.

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    3. 増崎様

      こちらこそお返事下さって、電圧と電流値も教えて下さって、ありがとうございます。
      LEDの方は、例えば秋月で販売されているこちらの「高輝度5mm赤色LED」の場合は
      http://akizukidenshi.com/download/ds/optosupply/OS5RPM5B61A-QR.pdf
      DC Forward Current IF 50 mA
      Pulse Forward Current* IFP 120 mA 電流を流しっぱなしだと、最大50mAまでですが、パルス幅10ms以下、 デューティー比1/10以下の場合は120mAまで大丈夫なので
      73mA程度の電流がパルス状態で流れるなら壊れないのでしょうね。

      電池の方がちょっと気になったのですが、CR2032は放電電流: 0.2mA 最大放電電流: 3mA 最大パルス放電電流: 15mAとなっているので、
      パルス電流とはいえ、73mA程度流すと、急速に電圧降下して回転が止まる、暫く休ませるとまた回転するといったような感じになるような気がしましたが、
      動画では20秒は回っていますね。この状態で何分くらい回転し続けるのでしょうね?

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    4. ●ご質問ありがとうございます.連続運転は20数分でした.
      やはりコイン型電池(CR2032)ではキャパが小さく,
      長時間のデモには向かないようです….ちなみに停止時の電圧は
      0.25Vでした.

      ●そこで新たに

       ・光る単極モータ(改良版)
        https://bit.ly/2xDc4lQ

      を開発しました.

      ●1時間近く回転しますが,壊れる寸前(笑)でした.
      静止時の電流は680mAもあり,触れないくらい熱くなります.

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    5. なるほど!これはリチウムイオン電池(3.7V)ですね。
      18350あたりでしょうか?
      900mAhとして、680mAで約1時間・・・?
      と安易な計算ですみません(^^;
      いずれにしても、ただ単なるファラデーモーターより、やっぱり光る方が楽しいですよね♪
      素晴らしいアイデアを教えて下さって、ありがとうございます。

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    6. ●いえいえ,トンデモございません.コチラこそ勉強になります.
      実は座学で電気基礎を担当しておりまして,容量のネタとして
      使えますね.予定では毎年,夏休み明けの9月ごろ「電池の容量」
      について教えておりますが,今年はコロナの関係でズレそうです….

      ●智恵さんはパーツにもカナリ精通してありますね.
      ちなみにリチウムイオン電池は

       ・16340 リチウムイオンバッテリー CR123A 3.7V 1000mAh
        https://amzn.to/2zfJqYd

      を利用しました.

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    7. 「電池の容量」のお話、面白そうですね。電気基礎のお話も聞いてみたいです。
      本当に今年はコロナの影響で、色々と大変ですね。早く収束してくれるよう祈るばかりです。
      リチウムイオン電池は、16340でしたか(^^;
      是非、これからも電気の実験のことやパーツ等々、色々と教えて下さいね♪

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    8. ●こちらこそ,ご教授のほどよろしくお願いいたします.
      作品のアップ,楽しみにしております.

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