2017年5月12日金曜日

弛張型発振回路を使った音の高低実験

音に関して、全く無知なのですが、
弛張型発振回路を使った音の高低実験に挑戦してみました。

村田製作所「KIDS電子工作」のサイトを参考にさせて頂きました。

スピーカーはダイソーの
「耳もとキューブスピーカー」を使用しました。

回路図です。
可変抵抗のみでは、0~数10kΩあたりの音が鳴らないので
可変抵抗と直列に100kΩを接続しました。

ブレッドボードで組み立てています。
コンデンサは容量の違う4種類を入れ替えながら実験します。
       ① 0.001μF(102) 
     ② 0.01μF(103)
   ③ 0.1μF(104)
④ 1μF(105)
入れ替えやすいように、コンデンサ差し込み穴を手前の中ほどにしています。

可変抵抗は1MΩのものにしました。
可変抵抗に100kΩの抵抗を直列に繋いでいるので、
回路自身の抵抗は 0.1MΩ~1.1MΩの間で変化することになります。

音の高低の様子を動画でご覧ください。
コンデンサー容量が小さい方ほど、また可変抵抗値が低いほど
高い音が出ることがわかります。
その理由については、こちらにわかりやすく書かれています。

スピーカー両端の電圧波形は下のようになります。
<コンデンサ容量0.01μF、可変抵抗0Ωの場合>
周期は約0.5ms(周波数 約2000Hz)、
1周期の間のオン時間は約10μs程度です。

(周期を短くしたグラフ)

<コンデンサ容量1μF、可変抵抗1MΩの場合>
周期は約620ms(周波数 約1.6Hz)、
1周期の間のオン時間は約1.5ms程度です。

(周期を短くしたグラフ)

<スピーカーと並列に10μFの電解コンデンサを接続してみました。>

スピーカー両端の電圧波形は平滑化され、下のグラフ右側のようになりました。
比較のため、上で掲載したものを左側に載せています。

<コンデンサ容量0.01μF、可変抵抗0Ωの場合>
周期は長くなり、1周期のオン時間も長くなりました。
逆起電力も発生しなくなりました。
   
(周期を短くしたグラフ)

<コンデンサ容量1μF、可変抵抗1MΩの場合>
ほど顕著な違いはありませんが、ほんの少しオン時間は長くなっています。
10μFを100μFにするともう少しだけ違いが大きくなりますが
スピーカーからの音が小さくなりました。
  
(周期を短くしたグラフ)

スピーカーと並列に10μFの電解コンデンサを接続すると、
接続前に比べ ほんの少し、音が低く聞こえました。

上の波形図のオン時に、スピーカーのコイルに電流が流れます。
コイルの周囲に磁石があるため、コイルには電磁力が発生します。
磁石は固定されているので、コイルの方が移動し、
コーン紙を振動させることで空気が振動して音として聞こえます。

<Facebookで繋がっている方に色々と教えて頂きました。>
今回の実験は、バイオリンなどの楽器に例えると理解し易いかも知れません。
発振周波数は楽器の基音 (ドレミ) に相当し、パルス幅は音色に相当します。
基音に対する 高調波 (基音の倍数の周波数の音)+α の混合割合により
音色が変わります。(楽器が識別できる)
ここで言う高調波とは、基音が1Hzなら 2Hz 3Hz 4Hz . . . 〜 無限 です。
+α の部分は、高調波以外の部分で楽器の固有の共鳴、共振、残響などです。

例えばバルス幅を変えることが出来ると、高調波の割合が変わり、
音の高さ (ドレミ) は一緒で音色が変わります。
 究極は正弦波で基音のみとなります。
100円のスピーカーをお使いですが、
不良品でなければ500Hz位より高い周波数では実験に支障はないと思います。
低い発振周波数になるとスピーカーの再生能力限界から基音が聞こえなくなります。
一般のステレオスピーカーを使ってもせいぜい50Hz位までしか再生出来ません。



<私の質問>
今回、私の装置では1Hzくらいでも途切れ途切れに音が聞こえます。
このときに聞こえている音は、
100均スピーカーでも聞こえる 500Hz以上ということなのですか? 

そうです。 この時の基音を1Hzとすると、
スピーカーは1Hzを再生出来ないし(音が小さい)
再生しても人には聞こえないので 
(一般的に聞こえるのは 2020kHzと言われてます)
聞こえているのは主に基音の倍数の周波数の高調波と、
スピーカーの低音再生限界を越えたことによる、スピーカーの歪です。
オシロの波形から判断すると、2.5Vのパルスが入力されているので
最大で 0.78W 程度の入力となり、
スピーカーの定格 0.25W を越えるので、
歪の音がかなりの部分を占めていると思います。

コンデンサ容量1μF、可変抵抗1MΩの場合
周期は620msくらいで、オンになっている時間は1.5ms程度です。
もし、周期が620msと変わらず、オンの時間が10μsになると、
高い音が途切れ途切れに聞こえるようになるのかしら?

まず、基音が1.6Hz 位で、スピーカーが再生してないし、
もし再生してても人には聞こえないので誤解し易いですが、
音の高さ( ドレミ) を決めているのは基音ですね。
 なので、パルス幅を変えると高調波成分の割合が変わり音色が変わると思います。
ご指摘の様に高く聞こえるかも知れませんし、
ひょっとすると音の大きさが変わるのかも知れません。
基音が聞こえて無いので、実際にどんな風に聞こえるか興味深いですね。 


周期が620msと変わらず、オンの時間が310msになると、
音は聞こえなくなってしまうかしら?

310msオンー310msオフー310msオンー310msオフ
を繰り返すと、
(今回のような+側にシフトしたような矩形波の場合)
入力は、最大値 0.78W 0Wが同じ時間 交互に入るので、
0.78/2=0.39W と定格0.25Wを超えているので
ひょっとするとスピーカーが壊れるかも知れません。
もし、
600msオンー20msオフー600msオンー20msオフ
を繰り返すと、
大幅に定格オーバーとなり、
恐らくスピーカーが壊れ、 ご指摘の様に音は聞こえなくなってしまうかも。
スピーカーにはほぼ連続して600ms間、2.5V位の直流が入り(0.78W入力)
その後20ms休んでまた直流がかかります。
 この時、休んだ瞬間スピーカーが動きますから音がします。
直感的には、パルス入力に似た音だと思います。
2.5Vの直流負荷に耐えられるスピーカーならそのまま音がでますが、
0.25W定格なのでボイスコイルの接着が緩み、音が歪んで壊れると思います。

教えて下さった方は、P社でスピーカーの開発をされていた技術者の方です。
鳥のお写真もプロ級の腕前で、いつも楽しみに拝見しています。
その方がアップされてたお写真です。
  

<渡辺聰明様から、興味深いことを教えて頂きました>
・矩形波の周波数をf[Hz]とすると
f=sin2πft1/3sin3(2πft) 1/5sin5(2πft) 1/7sin7(2πft) 1/9sin9(2πft)+・・・・
の関係があり、これを次々に合成していくと矩形波のグラフらしくなります。
(ネットで検索するとこのような解説がありました。)
http://www.maroon.dti.ne.jp/koten-kairo/works/fft/intro2.html

・発振器の正弦波出力をアンプに入れ2Hzぐらいから始めた場合、
 スピーカーのコーンは周波数に応じた目に見える振動をしているのに、
音は聞こえません。
 10Hzでも振動していますが音は聞こえません。20Hz辺りから聞こえます。

 
矩形波にすると2Hzぐらいから音が聞こえます。
  コーンが出たり、引っ込むときに可聴音を発しているからです。


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今回の実験に当たって、多くの方から色々と教えて頂き
音に関して、ほんの少しだけ理解出来た気がします。
色々と奥深く、まだまだ理解出来てないことが多いですが
これからも、もう少し勉強してみようと思います。
教えて下さった方々に感謝しています♪





これ以外の実験や工作も掲載していますので、
こちらも見てみて下さい。




2 件のコメント:

  1. Chieさんこんばんは
    KIDSの電子工作面白い実験ですね、電子回路をシシオドシに例えているのは分かり易いです。シシオドシはTVのCMにも出てくるから子供でも理解できますね。
    私はこういうのを見てもあっそうかと思うだけが多いのですが、ちゃんと実証実験されてそこからまた新たな疑問を見出すChieさん凄いと思います。

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    1. 啄童さん
      いつも見て下さって、ありがとうございます♪
      村田製作所「KIDS電子工作」は「子供の科学」に連載されているようですね。
      時々、拝見していますが、本当にいいお勉強になりますね。
      音に関して、全くわからなかったのですが、少し勉強になりました。ヽ(^-^)/

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