数年前 "歩くだけで発電する「発電床」の実証実験” の
ニュースが話題になりましたね。
歩くだけで発電?もし実現すれば、手軽でエコな発電方法ですよね。
今回はその「発電床」に使われている"圧電素子"を使って、
簡単に出来る発電実験をやってみましょう。
圧電素子はダイソーで販売されてるストップウォッチや
防犯ブザー、メロディーカードなど様々な商品で使われています。
<用意するもの>
(共通) 防犯ブザー(100円shopで購入出来ます)、ビニールテープ
(その①) LED2個、電動歯ブラシ、
(その②) LED2個、ビー玉、お菓子のジューシーのケース、
木片(25mm×30mm×5mm程度)、リード線約6cm2本
(その③) LED2個、カスタネット、よさこい鳴子
(その④) LED2個、ビー玉、お菓子のジューシーのケース、
木片(25mm×30mm×5mm程度)、リード線約6cm2本、
ダイオード(ゲルマニウム、ショットキーバリア等)4個
電解コンデンサ(100μF)1個、抵抗(4.7kΩ)1個
その① (電動歯ブラシ編)
①防犯ブザーから圧電素子を取り出します。
②圧電素子は下から 下部電極、圧電材料、上部電極で構成されています。
防犯ブザーから取り出した圧電素子の
下部電極及び上部電極からリード線が出ているので
そのリード線に LED2個を逆向きの並列接続にします。
(一方の長い足にはもう一方の短い足を接続)
③圧電素子は大変壊れやすいので、ビニールテープを巻いておきます。
④圧電素子に電動歯ブラシを当てると、LEDが光ります。
(写真は取替ブラシを取った状態で振動させています。)
LEDを接続しない状態の圧電素子の端子電圧を見ると
交流発電をしています。
振動によって素子が伸びるときに発生する電圧が正方向とすると
縮むときの発生電圧は負方向となります。
もし、LEDを一つだけ接続させた状態では、
5V程度の逆方向電圧がかかるので、
LEDは徐々に壊れてしまいます。
LEDを逆向きの並列接続にしておくと、
もう1方のLEDによって、逆方向の電圧が抑えられます。
また順方向5Vも少々かけ過ぎのような気がします。
LEDによって順方向電圧は違い、定格順電流値(IF)も異なり
それぞれのデータシートを見ないと一概に言えないですが
順方向に5Vをかけると、定格順電流値(IF)以上の電流が流れる恐れもあります。
もしそうなると、LEDは徐々に壊れていくと思います。
抵抗100Ω程度入れておいてもいいのかも知れないですね。
電動歯ブラシを当てる場所によって、色んな波形が見られます。
その② (ビー玉衝突編)
① その①と同様に圧電素子に LED2個を逆向きの並列接続にし、
圧電素子にビニールテープを巻いて保護しておきます。
②ジューシーのケースにビー玉を入れ、圧電素子、木片で蓋をします。
圧電素子のリード線を保護するために
裏側にビー玉が当たるようにします。
③木片をテープで固定して
④しっかりとジューシーケースに貼り付けます。
⑤振ったり、机の上でトントンと叩くと、LEDが点滅します。
その③ (カスタネット、よさこい鳴子編)
同様にして、動物カスタネット、よさこい鳴子で発電してみました。
その④ (コンデンサに充電)
圧電素子は発生する電圧は高いのですが、
わずかな電流しか流れないので、充電しにくいのが難点です。
ここでは圧電素子1個の簡単な回路で、充電の仕組みを見てみましょう。
圧電素子は交流発電のため、整流してから充電することがポイントになります。
充電するときは二次電池や電気二重層コンデンサを使うのが一般的ですが
圧電素子1個では、ほんのわずかしか発電しないので、
今回は100μFの電解コンデンサに充電してみましょう。
(圧電素子+ダイオードブリッジ) をなるべくたくさん並列接続にすれば、
電気二重層コンデンサにも充電できるようになります。
回路図は下図の通りです。
スイッチオフの状態で電解コンデンサに充電し、
充電を終えたら、スイッチオンにするとLEDが点灯する仕組みです。
抵抗値を小さくすると、明るく点灯しますが、点灯継続時間は短くなります。
抵抗値を大きくすると、薄暗く長時間点灯します。
(4.7kΩで4秒程度です。)
①ダイオード4個でダイオードブリッジを作り、
交流電流を整流して電解コンデンサに充電します。
ダイオードは順方向の電圧降下の低い方がベターです。
(ショットキーバリアダイオードなど)
②
その② (ビー玉編)と同様に、ジューシーケースに貼り付けてから、
約300回降り続けます。
スイッチをオンにすると、次第に薄くなりながらも、約4秒間点灯します。
ここまで使用した圧電素子は圧電スピーカーと呼ばれているものです。
防犯ブザーから取り出したことでもわかるように、
圧電体に電圧をかけると伸びたり縮んだりして
音を発生することができます。(逆圧電効果)
逆に今回の実験のように 圧電体を伸ばしたり縮ませたりすると、
電圧が発生します。(正圧電効果)
今回の実験では電動歯ブラシの振動やビー玉の衝突などで、
圧電体が伸びたり縮んだりしながら、交流発電をしています。
その⑤ (ライターの圧電素子編)
圧電スピーカーとは形は全く異なりますが、
電子式のライターにも圧電素子が使われています。
正圧電効果を利用して、瞬時に高圧放電をして、点火する仕組みです。
これを使っても、LEDを点灯させることが出来ます。
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