2019年10月22日火曜日

ソーラーくるくる (solar mendocino motor)

小さなソーラーパネルがくるくる回るおもちゃを
時々見かけるようになりました。
調べてみると「solar mendocino motor」と言うそうです。
mendocinoについて、いつもお世話になってるY野さんが調べて下さりました。
"The name comes from the location of his workshop on the Mendocino coast of California."
由来だそうです。

しかし、このおもちゃ あまりにも高すぎて(ほぼ1万円以上)
購入出来ないので、作ってみることに・・・
(1枚バージョンは市販品では見かけませんが、手軽に作れて仕組みもわかりやすいです。)

<1枚バージョン>
36秒目あたりから電車が見えます。
(電車の走る風景を載せるために映像後半が長くなってしまいました。
その割に電車が小さくってよくわからないけど・・・(^^;)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


<4枚バージョン>

1枚バージョンは
ソーラーパネルに光が当たるときと当たらないときを繰り返すことで
4枚バージョンは
光が当たるソーラーパネルを入れ替えることで
うまくスイッチングできて、回転し続けることが出来ます。

ソーラーパネルは全て、53X18 (0.5V 100mA) を使用しています。

<1枚バージョンの作り方>
φ0.1mmのUEWを径15mm程度のものに200回巻き、
巻き始めと巻き終わりをソーラーにハンダ付けします。
さらにパネルの上下に針を固定しています。
(針はまずエポキシ系接着剤でパネルに固定してから黄色と赤色のシールを貼っています。)

 ②
ワイヤー(洋蘭支柱の被覆をはがしたもの)をU字型に曲げ、
上の方にφ4mm×2mmの磁石を貼っています。
下の方はφ3mm×10mmのパイプを板に埋め込み、
後ろに柱を立てて、φ13mm×3mmのネオジム磁石を貼りました。

①の下の針を②のアルミパイプに通し、上の針をU字型の磁石にくっつけます。
下の針は地面にはつかないようにします。
針が上の磁石にくっついてぶら下がっている状態です。

映像のように左右から光を当てると回転します。
正面から光を当てても回転しますが、左右から当てた方が回転しやすいと思います。

<4枚バージョンの作り方>
2cm角の木材の中心に穴を開け、φ4mm×70mmのパイプを通し
パイプの先端には釘の先の方をカットして接着しています。

φ0.1mmのUEWを400回巻きました。

②と直交するように、φ0.1mmのUEWを400回巻きました。
(②のUEWとは接続していません。)

 ④
パイプの上の方に取り付け金具を4つ取り付けた正方形の板を固定しています。

④の取り付け金具にソーラーを貼ったところです。

ソーラーとコイルの接続は下図のように
向かい合わせのソーラーのプラスとマイナスを接続し、
その中間にコイルの巻き始めと巻き終わりを接続。
直交するコイルも同様にします。(極性を合わせる。)


この接続方法はこちらの動画を参考にさせて頂きました。

⑥ 
土台には洋蘭支柱を曲げたものを2本固定し、
支柱の上の方にφ6mm×3mmの磁石を貼り付けています。
下の磁石は向かい合わせにそれぞれφ15mm×5mm×2個を取り付け金具に貼っています。
極性は片方はN極、もう片方はS極が内側を向くようにします。 
磁石の間に銅の針金を立てています。(その後 銅くぎに変更。)

日の当たらないところでも実験出来るように
支柱の左右にLEDライト(COB(チップオンボード)型)も取り付けました。

 ⑧
⑤のパイプの下に⑥の針金を差し込み、
釘の頭を上の磁石にくっつけてぶら下げます。
ライトを光らせる電源にはモバイルバッテリーを使用しています。


<回転方向の考察 ~1枚バージョン~>
ソーラーパネルに光が当たるとコイルに電気が流れます。
ソーラーパネルと磁石の位置関係は下図のようになっていて、
磁石に近いコイルには電磁力が働き、回転をします。
ソーラーパネルが裏向きになったときには、コイルに流れる電流は少なくなり
電磁力はほとんど働かず惰性で回ります。
(もし裏向き状態でも光が当たってコイルに電流が流れると、
逆向きの電磁力が働き回転し続けることは出来ない。)


<回転方向の考察 ~4枚バージョン~>
磁石は土台に固定され、パネルとコイルが回転する状態です。
(パネル+コイル)は同じものを2組、直交した状態で配置していますが、
下の図は1組分で考えています。
光の当たったソーラーパネルの方から多くの電流が流れ、
両側の磁石によりコイルに電磁力が働き(パネル+コイル)が回転します。
(パネル+コイル)が半回転すると、パネルは入れ替わりますが
パネルと磁石の位置関係は同じなので
同じ方向に回転します。(コイル内の電流は常に変化している。)

2019年10月2日水曜日

電極をさわると光る!音も鳴る!(LOVE Checker)

両側の電極をさわるとLEDが光って音が鳴る装置を作ってみました。




光って音が鳴る仕組みは、
電極をさわったときに人体に流れるわずかな電気を
トランジスタで増幅することで
LEDを光らせるために必要な電気や音を鳴らすために必要な電気を
送れるようになることです。
これと同じ仕組みです。

本体にはダイソーのプッシュライトミニを使用しました。

 厚紙にLEDを8個並列に接続しています。

配線のためのブレッドボードは秋月のEIC-301をカットして使用。
最近このブレッドボードが接触抵抗が少なく気に入ってます。
もちろん、ユニバーサル基盤を使ってハンダ付けすればもっといいのでしょうけど・・・
電極はアルミパイプ5mmを使用しました。
上の方の緑色のものが「PAM8403」というD級アンプです。

 スピーカーとLEDも接続したところです。 
スピーカーはダイソーの「笑い袋」に入っていたもので
恐らく8Ω0.25Wのスピーカーと思います。

LEDの方はトランジスタを2個使って、ダーリントン接続に
音の方はトランジスタ1個~メロディーIC~アンプ~スピーカー
と接続することで、大きな音を鳴らすことが出来ました。
トランジスタは2SC1815GR、
メロディICはUM66Tシリーズ
アンプはD級アンプ PAM8403を使用しています。
電源は単3(1.5V)のマンガン又はアルカリ乾電池を3個を使用します。

映像にもあるように、2人で電極をさわって手をつなぐと
光って音(ウェディングマーチ)が鳴るので、
「LOVE Checker」パーティグッズとしていかがでしょうか?
数名で輪を作って手をつないでも、光って鳴ります。

(但し、屋内でたたみや絨毯、フローリング等の上に素足や靴下で立った場合は
足経由で電気が流れるので、手をつながなくっても光って鳴ります。
この場合は、発泡スチロール板などの上に立つことでうまくいきます。)



ミニ版も作ってみました。

ミニ版は電源にCR2032のコイン型リチウム電池1個(電圧3V)を、
音源にUM66TシリーズのメロディIC~圧電スピーカーを使用しています。




2019年8月26日月曜日

ジャンピングロボ

最近、Facebookで台湾のお友達が増え、
工作に関する情報を色々と教えて頂くようになりました。
台湾の方はみなさんとても熱心で、いい刺激を頂いています。

今回作成したジャンピングロボも、台湾のお友達がシェアされていたこちらの動画
を参考に作りましたが、主に次の2点を変更をしています。

・7.4Vのリポバッテリー → 3.7Vのリポバッテリー
・ゴムを使ってモーターを降ろす方式 → ギア方式

参考にさせてもらった作品は、可愛く軽快に飛び跳ねていますが、
このような感じに作るのはなかなか難しく
結局 私はどれくらい高く飛び跳ねるかに挑戦することに!(ほぼあきらめ境地😅)

こちらが私の作ったものです。

<作り方>

本体のギアはこのような長さ125mm、歯数83の細長いギアを使いました。

このギアを10cmくらいにカットし、両側にアイス棒を貼っています。


上下に板をネジ留め(上は丸棒にしました。)

完成後このようにモーターに付けたギアとかみ合わせることになるので、
幅はこれに合わせて上下の板を取り付けます。


取り付け金具を2枚ネジ留めし、さらに木板をもう1枚取り付けました。
 このようにすることで、体の角度を変更できることが出来ます。

この木板に足をボンドで貼っています。
足は18mm×150mmのアイス棒。

上の丸棒の真ん中にもネジを取り付けています。


ギアモーターはギア比1:120のものを使用しています。
(1:48はゴムを引っ張る力が弱いですが、小さなジャンプでOKなら大丈夫と思います。)
スイッチを取り付けるための板と、
小さなヒートンを2か所に取り付けました。


 ⑤
モーター~スイッチ~電池コネクタを接続しています。


モーターに取り付けるギアです。
白いギアは直径29mm 歯数56のものです。
AliExpressで「562A」で検索すると出てくると思います。
黒いものはTTモーターホィールで、
中心穴がギアモーターの白いシャフトにピッタリはまります。
中心を合わせて2枚をネジ留めし
左右対称になるように、ニッパで歯をカットしました。


ギアモーターに⑥を取り付け
電池側の穴にM3×60mmのネジを差し込んでいます。


⑥のネジにゴム紐をかけて、③に取り付けます。
普通のゴムでは摩擦抵抗が高く上下しにくいので、ゴム紐を使っています。


丸棒のネジから背中側のヒートンへ 4本、前方のヒートンへ4本のゴムをかけました。
ゴムの本数でジャンプする高さが変わります。

使用したゴムは直径1cmくらいのポリウレタンゴムです。

この状態で動かしてみるとかなり高く飛ぶのですが安定性に欠けるため、
足元にM7のナットを貼っています。


<リポバッテリー使用時の注意事項>
リポパック(リチウムポリマーバッテリー)は、
取扱いを間違えると火災や怪我の危険性がありますので、
取扱には十分な注意が必要です。 
こちら ↓ の注意事項をご確認ください。

<後記>
今回一番大変だったのは、着地をしたときにロボが飛び跳ねる対策でした。
足の裏に滑り止めシートを貼ると、
つんのめって、ロボはこけてしまいます。

足を大きくしたり、小さくしたり、平面状にしたり、
テープを貼ったり、スポンジを貼ったりと
思いつくことを手あたり次第やってみましたがダメ・・・

でも参考にさせてもらったロボは全く飛び跳ねることなく
綺麗に着地しています。

この違いは何だろう?と色々と考えてみましたが、
ひょっとすると、跳ね終えて着地をする前に、
ゴムが木に接触して、ギアモーターを降ろし始めてるのかなぁ?と・・・
(間違ってたらすみません。)

ならば!私も小さいギアで!! と思って挑戦してみましたが
ギア同士の咬み合わせがうまくいかず、断念・・・
(数か月放置・・・😅)

2週間前に引っ張り出して、再挑戦!
ギアは結局大きいものでやることとし、
足を逆ハの字型から平行に並べたスキー型に変更。
さらに足におもりをつけることで、ある程度は安定しました。
もちろん完ぺきではありませんが・・・
おもりは重ければ重いほど安定しますが、飛ぶ高さは落ちてしまいます。
(高さが落ちることでより安定します。)
・ギアの歯数
・上から前後にかけたゴムの本数
・白いゴム紐の張力
・体の角度
等によっても、飛び方や着地の仕方が変わってきます。

もう少し調整すれば、良くなるかも知れませんが、
今回はこのあたりで断念ということで・・・😥


2019年7月29日月曜日

風船くるくる(卓上版)

マジックショーの映像を見ていると、風船をいくつかくっつけたものを
風力パワーで浮かせてクルクル回すパフォーマンスをよく見かけます。
多くはブロワーを使っておられるようです。

以前 作ったこの装置
(風力パワーでスチロール球やスチロールカップが宙に浮くもの)
これを使って
小さい風船でいいので卓上で浮かすことはできないかしら?
と思い やってみたところ、
少々パワー不足だけれど、なんとなくうまくいきそう!?な気がして
もう少しパワーアップしたものを作ってみました。

  <作り方>

セリアで購入した「しっかりパック200ml3個組」に穴を開けています。
(煙突用20mm、モーター用6mm、空気を取り入れるため蓋に約35mm)
容器の方は左のようなドリルビットで蓋はサークルカッターで開けました。


ブレードは直径50mm×厚み2mmの丸い板に
15mm角×厚み1.5mmの木片を12枚 木工用ボンドで貼りました。
丸い板から4mmずつ はみ出しています。
裏側にはモーターシャフトを差し込むため1.95mm穴のプーリーを取り付けています。
プーリー本来の目的ではなく、モーターシャフトに取り付ける目的なので
1.95mm穴のギアなどでもOKです。
(右側の方、羽を少し斜めに貼っていますが、真っすぐに貼ったものと大きな違いはありませんでした。)

<2019年9月12日追記>
AliExpressでこのようなプロペラを見つけました。
羽根の枚数が9枚ですが、
風船を浮かせるには十分なパワーです。


煙突は適当な径のパイプがなかったので、
クリアファイルにテープを巻いて作りました。
(煙突の径はφ20mmにしています。)
ほんの少しだけケースに差し込んで接着剤で固定し、
(差し込み過ぎるとブレードが回転するときに接触し回転速度が落ちてうまくいきません。)
継ぎ目はスポンジシートでカバーしています。

高さ55mmの木柱にモーターを固定しました。


③を④に取り付け、モーターの下の方、2か所ネジで固定しています。


②のプーリーの中心穴をモーターシャフトに差し込みました。

煙突の上からのぞいたときに、
煙突の真ん中にブレードがくるようにします。


蓋をしたところです。


配線はモーター~スイッチ~電源と直列に繋ぎます。
電源は安定して5Vを送れるようにモバイルバッテリーを使用しています。
(モーターは時計回りの方向に回転。)


裏側には滑り止めシートを貼っています。


映像で赤い風船を浮かせたとき、斜めにしましたが、
この装置はカメラマウント用の部品を使用しました。


手回し発電機用にはモーターからリード線を出しています。


4台作ってみました。


風船はダイソーで購入した水風船(100個入り)を使用
10個を同じくらいの大きさに膨らませ、
結び目を内側にして
隣同士テープで貼っています。

重くて浮かびにくいときは風船の結び目のところをハサミで切ると軽くなります。
軽くて浮きすぎるときは、煙突にテープを貼って風量を調整します。

煙突の上から風船までの距離を10~15cm程度になるようにすると
安定して浮くと思います。
(あまり高く浮きすぎると、バランスを崩して落ちることがあります。)

<以前作った装置との違い>
①容器を四角にした。
②ブレードの径を大きくした。
電源をモバイルバッテリー(5V)にし、モーター定格電圧6Vのものにした。

(左:以前作った装置       右:今回作った装置)      
容器は当然丸い方がいいと思うのですが、煙突が差し込みにくいのです。
食品ケースと煙突をうまく合わせて斜めに切るのが大変、接着も大変なので、
四角いケースでやってみたところ、意外にうまくいき
こちらで作ることにしました。


ブレードは大きい方が風をたくさん送れますが、
その分、モーターの回転数も落ちるし負担もかかります。
またケースの大きさとの兼ね合いもあり、
いくつかブレードを作って試してみてこのサイズにしました。
羽の数も8枚でもやってみましたが、8枚より12枚の方が断然いいです。
作り方②のところでも書いたように、羽を真っすぐに貼るか?斜めに貼るか?
に関しては大きな違いはありませんでした。


一番大変だったのはモーターの選定。
前回はマブチRE-260RAを使用しましたが、使用電圧範囲1.5~3Vなので
乾電池2個直列が限界です。
さらに電池が消耗して電圧が2.6Vを切ると浮き方が悪くなります。
そのため、今回はモバイルバッテリーを使用し、安定した電圧で
かつ3Vよりパワーアップした5Vでいくことにしました。

電圧5Vなので定格が3~6Vや12Vまでのモーターを色々と試すことに・・・
ちょうどAliExpressで購入した定格6V以上のモーターが10種類ありましたが
そのうち8種類はうまくいかず、
(ブレードは回るけれど風船を浮かせるほどの風が送れない)
うまくいった2種類のうち、発熱の少ない方を使っています。

手回し発電機で回すときは、
出力12Vのものを使っています。(ケニスまたはアーテック製)
無負荷のときの出力は約12Vですが
今回の装置(定格6Vのモーター)に繋いで回し電圧を測ると
約4.5V~5.5V、必死で回して約6V程度でした。

<注意>
エアコンや扇風機など空気の流れがあるところでは、
流されてしまって、うまく浮き続けることが出来ません。

  <回って浮く理由>
わかりやすく解説されてるサイトを教えて頂きました。
http://www.jsme-fed.org/experiment/2017_4/001.html