2016年3月18日金曜日

ダイソーの「ソーラーガーデンライト」を改造~7色に光るLEDを点灯&相互誘導でLEDを点灯~

今ではすっかりお馴染みの、100円ショップのソーラーガーデンライト。

庭に立てておくと、昼間にソーラーから二次電池に充電し
夜にLEDが点灯します。

光センサーなどで照度を感知して
暗くなるとLEDが点灯するの?って思いきや
ソーラー電池から基板に流れる電流で制御しているようです。

また中を開けると、1.2Vのニッケル水素電池が1個だけ。
これでLEDを点灯させています。
(LEDは順方向電圧の最も低い赤色でも1.7V以上の電圧が必要です。)

制御用のIC1つで、
①ソーラーからの入力電流の強弱でLEDをオンオフさせる。
②暗ければ1.2VでLEDを高速点滅させる。(発振回路)

商品によって、使われている基板が異なっていたり、
付属の二次電池の形が違ったりしますが、
基本的な仕組みは同様のようです。

今回使用したのは
ダイソーのこの「ソーラーガーデンライト」です。

中には単4のニッケル水素電池(1.2V 200mAh)が入っています。
ちなみにダイソーで1個100円の単4のニッケル水素電池(ReVOLTES)は
1.2V 750mAhなので、容量は少ないです。

制御用のICはYX805が使用されています。
YX805のデータシートはこちらです。


改造前の製品は このように接続されています。


<改造その1>
7色に変化するLEDを光らせる。

この基板でLEDを点灯させた場合、
LEDの端子電圧は下のようにオンオフを高速で繰り返しています。
製品についてる白色LEDを7色に変化するイルミネーションに取り換えても
常に最初の1色 (赤色) しか光りません。

ではどうすれば、7色に光るLEDを点灯させることが出来るか?は
データーシートの右下に書いてあります。
その通りにやってみました。

整流用のダイオードは順方向降下電圧の低い
ショットキーバリアダイオードを使用しました。
(整流用ダイオード1N4007でも光りますが、光り方が弱いです。)

私の手持ちのダイオードでは、
ショットキーバリア ≒ ゲルマニウム > 高速スイッチング>1N4007
の順でいい感じでした。見た目だけの感じですが・・・)


コンデンサ10μFはセラミックコンデンサを使用しました。
コンデンサがなくても、7色に変化しますが電圧は変動しています。
(下の波形図を見て下さい。)

基板からLEDを切り離し、ミノムシクリップを繋ぎます。

その他はブレッドボードで組み立てました。 




コンデンサありの場合のLEDの端子電圧です。
発光色によって電圧が変化します。

コンデンサなしの場合のLEDの端子電圧です。
発光色によって最大値、最小値、周波数が変化します。

コンデンサあり、なしともに同じように光っているように見えますが
波形は全然違いますね。


<改造その2>
暗くならなくてもスイッチオンで光らせる。

ソーラーガーデンライトの良さは
暗くなると自然に光りはじめる点かも知れませんが、
あえて、明るくてもスイッチオンで点灯できるようにしてみます。


YX805の「1」のピンで入力電流を検知しているので、
「1」からソーラーを外して、充電池に並列に接続します。
充電池からの逆電流防止のため
ショットキーバリアダイオードを直列に入れておきます。


ソーラー(白)、充電池(赤)ともに正極側のコードを切断
ソーラー側(白)にショットキーバリアダイオードのアノードを直列に接続

・基板側(赤)をスイッチへ、基板側(白)は何もしない。
・充電池側(赤)とダイオード(カソード)を繋いでスイッチへ。

LED、コンデンサ、ダイオードは<改造その1>と同じです。



<改造その3>
相互誘導でLEDを光らせる。

この基板は高周波発振(周波数 約270kHz )なので、
相互誘導でLEDを点灯出来ないかと思い、やってみました。

一次コイルは0.2mmφのポリウレタン銅線を20回
単1乾電池に巻き、抵抗100Ωを直列に接続しています。
抵抗がない方が明るく光るかも知れませんが、ないとインダクタが少し熱くなります。

二次コイルは0.1mmφのポリウレタン銅線を150~200回
単1乾電池に巻き、赤色と緑色のLEDを逆向きの並列接続にしています。
(緑色LEDは順方向電圧2.9~3.6V 45000mcdを使用しました)





一次側コイルの端子電圧です。

二次側コイルの端子電圧です。




これ以外の実験や工作も掲載していますので、
こちらも見てみて下さい。



2016年3月15日火曜日

手回し直流発電機と充電カー

直流モーターを発電機として使用し
発電した電気を電気二重層コンデンサに充電してから 車を走らせる実験です。
発電機は市販のギアボックスを使用し、
モーターシャフトを速く回転させることで出力電圧が高くなります。
充電用に使用した電気二重層コンデンサは
二次電池に比べ充放電を短時間で行えるので
35分間充電させると、約2分間車を走らせることが出来ます。



まず、手回し直流発電機を作ります。

エコモーターギアボックス(TAMIYA 楽しい工作シリーズ№203)
ギア比 38.2:1 で組み立てます。
直流モーターに電池を接続すると、モーター軸が回転しますが、
逆にモーター軸を回転させると、発電することを利用するものです。

このギアボックスにはソーラーモーターがついています。
普通の小型モーターがついたギアボックスをギア比38.21 程度で組むと
発生電圧が低く、充電できません。
ギア比を上げると、発生電圧は高くなりますが
ギアが壊れやすいので要注意です。

付属のクランクプレートを使って、手回しハンドルを作ります。
木製アイス棒を7~8cmに切断し
ドリル刃3mmを使って3ケ所に穴を開けます。

 ③
アイス棒をクランクプレートにネジで固定し、
ハンドルとしてM3×40~50mm程度のネジを取り付けます。
回しやすいように、ネジには4mmφのストローを通しておきます。
ネジの端の方をワッシャーとナットでアイス棒を挟むようにしっかり固定します。

これをギアボックスのシャフトに差し込みます。 
下の写真のように差し込んだ場合は、
手回しハンドルを時計回りに回転させると充電できます。
反対側のシャフトに差し込んだ場合は
反時計回りに回転させると充電できます。

このままでは回しにくいので、持ち手を取りつけます。
内径28mmの筒状のものならOKです。
下の写真のような、ものが使用できます。
(ロッテ BLACK BLACK タブレット、グリコ フレンドチョコ) 

筒状のお菓子ケースの底にハンダこてなどで穴を開け
ミノムシクリップ付きのリード線(30~50cm程度)を通します。

モーターから出ているリード線と⑥のリード線をハンダ付けして
ハンダ箇所はビニールテープで絶縁しておきます。

ギアボックスを筒状のお菓子ケースに差し込んで接着剤で固定します。


充電用の回路を組み立てます。

回路図は下の図の通りです。



幅47mmのユニバーサル基板を長さ30mm程度に切り
ドリル刃3mmを使って4隅に穴を開けます。

 上の回路図のように回路を組み立てます。


入力用の端子は、抵抗やダイオードなどの切断した足を使用し
+、- と書いておくと、充電するときにわかりやすいです。
自動車を作ります。


プーリーは直径3.8cmの厚紙2枚に、直径3.5cmのダンボールを挟んで作ります。
中心を竹串に刺して


木工用ボンドでしっかり固めます。
(隙間に輪ゴムが入らないように)


モーターはソーラーモーター 03(TAMIYA ソーラー工作シリーズ No.11)を使用します。
(0.5V程度の低い電圧でも作動するので、コンデンサ電圧が下がってもかなり回り続けます。)

ピニオンギアが付属されているので
輪ゴム外れ防止用に、モーター軸に取り付けておきます。
モーターを固定するために
3.5cm角のダンボールに直径2.5cmの穴を開けたもの3枚を貼り合わせます。


車体は厚紙を切って、穴を開けます。


⑩の基板の4隅の穴にM3×10mmのネジを入れて、ナットで固定します。
⑭のモーターをモーター用穴に入れて接着材で固定し
配線用の穴からリード線を出して、⑩の基板に接続します。
接続箇所は回路図を参照。


基板の4つのネジを基板用の穴に入れて、裏からナットで固定します。

 ⑱
車体ののりしろ部分を貼り付け、
車輪用の穴に4mmφのストローを通して、
1~2mm程度厚紙から出たところで切断します。


タイヤは多目的EVAクッション(直径4cm×厚さ1cm)の中心に
目打ちなどで穴を開けて使用します。


プーリーとタイヤをセットして、
プーリーとモーター軸に輪ゴムをかけます。
これで完成 !!


<やり方>

基板プラス側に手回し発電機の赤のリード線、
マイナス側に黒のリード線を接続します。



手回し発電機を回すと、赤のLEDが点灯するとともに充電し始めます。


電気二重層コンデンサの端子電圧が2.4~2.5Vを超えると青色LEDが点灯し始めます。
(素早く回した場合 約3分、通常 約5分程度 かかります。)


ミノムシクリップを取り外し、スイッチをオンにすると走り始めます。
(約2分程度 走行します。)

下のビデオは充電時のコンデンサの電圧を測定しています。
電圧が2.4~2.5Vで青色LEDが点灯し始めます。


単三乾電池3本を直列(4.5V)をつないでも充電できます。


<耐圧対策について自由研究>
今回作成した手回し発電機を回した場合、回す速度によって電圧は変化しますが、
普通程度の速度で回した場合、発生電圧の最大は約4.5Vです。
(速く回すほど電圧は上昇します。)
 

入力電圧4.5Vに対し、電気二重層コンデンサの耐圧は3Vなので対策が必要、
また赤色LEDに対しても耐圧対策が必要となります。

計算方法の詳細はこちらを参照
http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/H13/html/H1312A17_.html






これ以外の実験や工作も掲載していますので、
こちらも見てみて下さい。